米中小企業、パンデミックからの回復続く　コスト高が課題＝報告

[ニューヨーク ８日 ロイター] - 米１２地区連銀を代表してクリーブランド地区連銀が８日公表した報告によると、中小企業は昨年、高インフレと労働力不足という大きな課題に直面したものの、新型コロナウイルスのパンデミック（世界的大流行）による影響から回復が続いた。

ただ、事業環境はパンデミックが発生する以前の３年前の状況よりも依然として厳しかった。

調査では２０２０年以降初めて、過去１２カ月間に売上高と雇用水準が減少するよりも増加したと報告する傾向が強まったほか、利益を上げていると報告する企業の割合が前年比で大幅に増加した。

一方、昨年は高インフレが多くの企業に課題をもたらし、労働市場の逼迫で人員確保も困難だったことが分かった。

企業は回復基調にあるものの、将来に懸念を抱いている。

調査ではパンデミック前に比べて、今後１年間の収益や雇用の増加を見込む企業は依然として少なく、５社に４社程度がコスト上昇に関連した課題を挙げ、半数近くが営業費用の支払いや不安定なキャッシュフローへの対応が困難と回答した。

調査は従業員５００人以下の米国内中小企業８０００社を対象に実施。報告によると、これらの企業は米雇用主全体の９９．７％を占めるという。