- 2023/03/10 掲載
アングル:米国株低迷か、インフレや利上げ懸念で
金利が現行水準に近い期間に株価は何とか上昇してきたが、一部の投資家は、FRBがパウエル議長の今週の講演どおり、より高くより速い利上げを実施した場合、債券利回りの上昇および粘り強いインフレと合わせて株価のリターンが悪化すると懸念している。
クレディ・スイスのマネジングディレクター、ジョナサン・ゴルブ氏は株式に暗い見通しを持つ一人だ。ゴルブ氏は、持続的なインフレが企業の利益率を圧迫し、投資資金が株式を敬遠して国債やその他の短期債に向かうと予想。インフレ率の低下は大半の予想よりも緩やかなものになるため、S&P総合500種は今年末時点で約4050ポイントと現値水準から1.5%ほど上回る水準にとどまり、その後、少なくとも2025年までは年間リターンが1桁台前半になると予想した。
一方、株高継続を見込む声もある。ラファー・テングラー・インベストメンツの最高経営責任者(CEO)兼最高投資責任者(CIO)、ナンシー・テングラー氏は最近のメモで「株式投資でまだ利益を得られるだろうが、適切なセグメントに投資する必要がある」と指摘。「現在の特殊な環境下ではシクリカル(景気循環)銘柄への投資が好結果につながるだろう」とした。
また、ミラマー・キャピタルのシニアポートフォリオマネジャー、マックス・ワッサーマン氏は、FRBがインフレを抑制するためには1.00%ポイントの追加利上げが必要で、米国株にとって不利な環境を生み出す可能性が高いと指摘。株価のバリュエーションが伸び悩む中、有配株や債券への投資によって魅力的なリターンが短期的に得られるとした。
ただワッサーマン氏は、FRBが利下げに着手するであろう24年後半まで株価が持続的に上昇することは見込みづらいと述べている。
(David Randall記者)
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