• 2023/03/10 掲載

物価目標実現に至らず「残念」、植田新体制の手腕に期待=黒田日銀総裁

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[東京 10日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は10日、金融政策決定会合後の記者会見で、10年間の在任期間を振り返り、大規模な金融緩和が経済・物価の押し上げ効果を発揮したものの、2%の物価安定目標の実現に至らなかったことは「残念」だと語った。新総裁に就く植田和男氏については、物価と金融システムの安定に向けて手腕を発揮することに期待を示した。

黒田総裁は、この10年でデフレを解消し、経済を活性化させ、大きな雇用を作り出したと指摘。大規模な緩和を続けたことによる副作用よりも「プラスの効果がはるかに大きかった」と語った。総裁の在任期間中、「私としてやるべきことはやったと思う」と振り返った。

過去のデフレ経験から賃金や物価が上がらないことを前提にした考え方や慣行が根強く、2%目標を達成できなかったものの、最近は労働需給面で賃金が上がりやすい状況になりつつある、と指摘。金融緩和を継続することで「時間がかかるとしても、賃金上昇を伴うかたちで物価目標を持続的・安定的に実現することは可能だ」と述べた。

金融緩和政策の「出口」について言及することは「時期尚早であると今でも考えている」と語った。実際に2%目標が持続的・安定的に達成された際、その時の経済・金融情勢に合わせて決めていくべきだとの考えを改めて示した。

黒田総裁の任期は4月8日まで。臨時会合がなければ、今回が任期中の最後の決定会合となる。市場では長期金利の変動幅再拡大など政策修正への思惑がくすぶっていたが、政策委員会は金融政策の現状維持を全員一致で決めた。

4月27─28日の決定会合から植田次期総裁が議長を務める。黒田総裁は植田氏について、日本を代表する経済学者であり、中銀の実務にも精通していると指摘。組織をまとめ、日銀の使命を果たしていくことに期待を示した。

(和田崇彦、杉山健太郎 編集:石田仁志)

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