- 2023/04/04 掲載
加テック・リソーシズがグレンコアの買収提案拒絶
グレンコアは全額株式交換での買収を持ちかけている。テック株1株当たり提示額は、グレンコアが買収を打診した3月26日の終値に20%を上乗せした水準。グレンコアの提案には、両社の製鉄用原料炭および発電用一般炭部門をスピンオフ(分離・独立)し、残りを「グレンテック」としてリブランドする再編計画も含まれる。
テックは拒絶の理由として、両社が統合すればテックの株主にグレンコアの大規模な一般炭事業や石油取引の影響が否応なく波及することなどで、株主価値低下の恐れがある点を挙げた。
シーラ・マレー会長はグレンコア取締役会宛て書簡で「(テックの)取締役会は現時点で身売りを考えていない」と述べた。
またテック側は、今年になって打ち出した独自の事業再編案の方がより大きい価値を生み出せるとの見方をしている。原料炭部門をスピンオフし、銅などの非鉄事業に専念するというこの案は、今月26日の株主投票で是非を問う予定だ。
事情に詳しい関係者は、非鉄金属事業だけの方が現在よりも同社にとって有利な条件の買収提案を呼び込める、というのがテックの見立てだという。
テック株の約1%を保有するアデンダ・キャピタルは、この案を支持するとともに、グレンコアの提案は興味を引くには提示額が低すぎるとの見方を示した。
一方グレンコアのゲイリー・ネイゲル最高経営責任者(CEO)は投資家との電話会議で、提示額引き上げの可能性を問われると「われわれはその話をするべきではない。これは買収ではなく合併だ」と答えた。
あるアナリストは、グレンコアが提示額を引き上げる公算は大きいと予想しつつも、テックの説明を聞く限り、小幅の引き上げだけがディール実現の必要条件なのかどうかは不透明だと付け加えた。
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