- 2025/05/14 掲載
投資家のドル資産圧縮は中立への修正、ドル離れでない=ゴールドマン社長
[ニューヨーク 14日 ロイター] - 米ゴールドマン・サックスのジョン・ウォルドロン社長は、ロイターのインタビューに応じ、投資家による最近の米ドル資産圧縮は、中立スタンスへの修正であり、大規模な逃避ではないと述べた。
トランプ米政権発足後の数カ月、金融市場はジェットコースターのように乱高下した。トランプ大統領が4月2日に相互関税を発表すると、ドル資産売りが加速した。
ウォルドロン氏は、「米国資産を通常より10%、20%、30%多く保有していた」一部の投資家が中立方向に修正したと述べた。
それまで投資家は米国が他の国に対しアウトパフォームすると楽観し「ほとんどの投資家が米国資産をオーバーウエートにしていた」とし、関税発表後、顧客は通貨ポートフォリオの組み換えを積極的に行ったとした。
「(4月2日以降のドル保有の)減少は、避難というより過剰分の放出だ」と述べ、米国の政策決定のボラティリティーが高まったため、保有を減らすべきという認識が広がっている兆しはないとした。
米中がスイスでの閣僚協議で貿易問題でいったん「休戦」することで合意し、米株やドルは今週上昇した。
ウォルドロン氏は「何が起こっていたかという文脈で考えると、市場は比較的落ち着いていたと言える」と語った。
<高関税の影響>
ウォルドロン氏は、大半の企業はコストの観点から高関税の影響をどう乗り越えるか模索していると指摘。
「(影響の)どの程度を価格に転嫁するのか、どの程度サプライヤーに転嫁するか、誰が関税の矢面に立たされるのか。答えは、分担だ」と語った。
関税措置はM&A(合併・買収)にも影響を及ぼし、新たな取引を阻害していると指摘した。
「M&A取引が進行中、あるいは開始しようとしていた場合は、おそらく一時停止している。最終段階にあって、もうすぐ発表という状況であれば、関税の影響が過度に大きくなければ思い切って発表するだろう。われわれは両方のケースを見てきた」という。
ディールロジックがロイター向けにまとめた4月に世界で発表されたM&A契約件数は20年以上ぶりの低水準だった。
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