- 2023/06/16 掲載
ECB、0.25%利上げ 預金金利22年ぶり高水準
[フランクフルト 15日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は15日の理事会で、政策金利を予想通り0.25%ポイント引き上げた。利上げは8会合連続で、インフレ抑制へ一段の引き締めを示唆した。
過去1年間での利上げ幅は4%ポイントで、過去最速ペースでの引き上げとなった。
ECBは、リファイナンス金利を3.75%から4.00%に、中銀預金金利を3.25%から3.50%に引き上げた。預金金利は22年ぶりの高水準となった。声明では「理事会は今後の決定で、インフレ率を中期目標の2%へ適時に戻すため政策金利が十分に制約的な水準になるよう確実にする」と指摘。
その上で「過去の意外な上振れや堅調な労働市場がディスインフレの速度に与える影響を考慮し、エネルギーと食料を除いたインフレ見通しを特に今年と来年について、スタッフは上方修正した」とした。
市場では決定前、7月か9月の0.25%利上げを織り込んでおり、年後半の9月あるいは10月ごろに追加利上げする可能性を見込んでいた。
ラガルド総裁は理事会後の記者会見で「ECBの主要金利はインフレ率を中期目標の2%にタイムリーに回帰させるために十分に制約的な水準に引き上げられ、必要な限りこの水準に維持される」と述べた。
ECBはまた、インフレ率が2025年まで目標の2%を上回ってい推移すると予想し、今後数カ月以内の追加利上げを再び示唆。変動の激しいエネルギーや食品を除いた「コア」インフレ率の23年と24年の見通しを上方修正した。
ラガルド総裁は賃金の上昇と企業の利益拡大に向けた値上げがますますインフレの重要なドライバーになっていると言及。「インフレは鈍化しているものの、過度に長い期間、高過ぎる状況となる見通し」とした。
また「ベースラインに重大な変化がない限り、7月も利上げを継続する可能性が極めて高い」とし、「(利上げの)一時停止は検討していない」とした。
さらに「理事会による過去の利上げは、資金調達条件に力強く伝わり、経済全体に徐々に影響を及ぼしている」とした一方、「(利上げの)旅路は終わっていない。まだ目的地に到達していない。まだやるべきことはある」と語った。
ECBは3兆2000億ユーロ規模の資産購入プログラム(APP)の再投資を7月1日に終了することも決定。これは広く予想されていた。
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR