海外勢の中国債保有、5月に増加　近く資本流出再開も

［上海　１５日　ロイター］ - 中国人民銀行（中央銀行）上海本店の統計によると、海外投資家は５月に中国の銀行間市場で取引される債券の保有を若干増やした。ただ、鈍い景気回復、人民元安、国債利回りの低下が再び資本流出をもたらす可能性がある。

５月末時点の保有額は３兆１９００億元（４４６０億ドル）と、４月末の３兆１７００億元から増え、全体に占める割合は２．５％となった。保有額は２０２２年１月にピークを付けてから減少傾向にあったが持ち直す動きとなった。

ただ、中国当局は今月、資金供給金利を引き下げて金融緩和姿勢を再び強くしており、債券市場からの資本流出も近く再開する可能性が高い。

ナティクシスのアジア太平洋担当チーフエコノミスト、アリシア・ガルシアヘレロ氏は「中国の鈍い景気回復、利下げ姿勢、低調な企業利益という要因全てが海外投資家の意欲をそいでいる」と指摘した。