- 2023/06/21 掲載
創業家の提案否決=取締役選任―フジテック株主総会
エレベーター大手フジテックは21日、滋賀県彦根市の本社で定時株主総会を開いた。創業家出身の内山高一前会長側が株主提案した社外取締役8人全員の選任案は否決。会社側提案の取締役9人の選任案がいずれも可決された。内山氏側は引き続き争う姿勢を示しており、経営権を巡る対立は長期化する可能性がある。
総会では、大株主の香港投資ファンド、オアシス・マネジメントが推薦した社外取締役の再任も承認。社長に内定していた原田政佳常務執行役員が取締役に選任された。
内山氏は、フジテックと創業家の不審な取引をオアシスに追及され、3月に会長を解任された。内山氏は「オアシスが取締役会を支配し、ガバナンス(企業統治)の問題を引き起こしている」と主張し、自身の提案への賛成を呼び掛けていた。
総会後、内山氏は彦根市内で記者会見し、株主の支持獲得に時間が足りなかったと指摘した。その上で、「オアシスを追い出すまで頑張る」と表明。内山氏側は経営権を奪還するため、来年春の臨時株主総会の開催を求める考えも示した。
一方、オアシスのセス・フィッシャー最高投資責任者は「取締役会は株主からの明確な信任を受けた」とのコメントを発表。フジテックは「株主をはじめとするステークホルダー(利害関係者)の皆さまの期待に応えるべく、企業価値向上を目指す」との談話を公表した。
【時事通信社】 〔写真説明〕フジテックの株主総会後、記者会見する創業家出身の内山高一前会長=21日午後、滋賀県彦根市
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