- 2023/06/22 掲載
ECBタカ派勢、根強いインフレ警戒 仏は高金利持続期間に重点
ECB理事会メンバーのナーゲル独連銀総裁は、インフレは「貪欲な獣のようなもの」と指摘し、ユーロ圏のインフレがいずれ2%に戻る見通しだが、ECBによる長期にわたる断固とした戦いが必要になる可能性があると述べた。
その上で、物価上昇率は今後数カ月で急速に低下する可能性があり、ECBに対する引き締め停止圧力が高まるかも知れないとしながらも、総合インフレ率の低下は基調的なインフレ圧力を覆い隠す可能性があり、必ずしも引き締めが完了したことを意味しないと主張。「早々に利上げを切り上げるのは初歩的な誤りだ」と述べた。
同じくドイツ出身のシュナーベル専務理事も、賃金の伸びが物価上昇を助長し、賃金・物価スパイラルを引き起こすリスクを強調。健全な利益率によって今年の賃金上昇圧力の大半が吸収されるだろうが、企業が賃金上昇を価格に転嫁しないと決まったわけではないとし、「賃金・物価スパイラルに陥るリスクがある。だからこそ、われわれ細心の注意を払い、注意深く監視しなければならない」とした。
一方、ビルロワドガロー仏中央銀行総裁はやや異なる見解を示す。仏レゼコー紙に対し「重要なのはターミナルレートの水準よりもいつまでその水準が維持されるかだ」と語り、「限定的」であると予想される追加利上げよりも、高金利の継続期間を強調した。
タカ派として知られるカジミール・スロバキア中銀総裁は、9月以降の金利については白紙との姿勢。利上げ停止を支持するためには何が必要かと問われ、「端的に言えば、コアインフレ上昇が近い将来制御されることを、最新のデータと予測に基づき確信できなければならない」と答えた。
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