中国鉄鋼輸出、今年は7年ぶり高水準に　元安など寄与

[北京 ２９日 ロイター] - アナリストは、中国の鉄鋼輸出が今年、２０１６年以来７年ぶりの高水準を記録すると予想している。需要低迷で国内では余剰感が強いが、人民元安と競争力のある価格が輸出を支援するとみている。

中国の鉄鋼業界は数カ月にわたる不動産セクターの低迷によって大きな打撃を受けており、鉄鋼価格は５月には３年ぶりの安値に沈んだ。

一方、アジアやアフリカなど海外需要が旺盛で輸出は伸びている。

税関のデータによると、１─５月の鉄鋼輸出は前年同期比４１％増。トレーダーは海外からの購買意欲が最近改善していると述べた。

アナリストは２３年の輸出量が最大７７００万メートルトンになると予想。昨年の６７３２万メートルトンを大幅に上回る可能性がある。

証券会社ＦＩＳのシニアアナリスト、ペイ・ハオ氏は「最も直接的な理由は、元安が輸出に有利だから。（中国の）輸出価格も魅力的だ」と説明した。元は対ドルで年初から５％近く下落している。

トレーダーは東南アジア、中東、アフリカからの需要が強いと話す。エネルギーコストが高いため、国内生産は中国からの輸入品と価格競争で劣るという。中国が支援する海外プロジェクトが新型コロナウイルス禍による中断を経て再開したことも、中国鉄鋼の輸出増に寄与する。