- 2023/06/29 掲載
スリランカ、ドル建て債保有者に元本30%削減要請へ
他のドル建て債の保有者にも同様の譲歩を求める。経済危機に見舞われた同国は巨額債務の再編を目指している。
国内債務再編の一環として、短期財務省証券を長期債に切り替える方針も示した。
スリランカの国際ソブリン債の発行残高は125億ドル。
同国は3月に国際通貨基金(IMF)から29億ドルの金融支援を確保。IMFのプログラムには2032年までに債務総額を国内総生産(GDP)比95%に削減する目標が盛り込まれており、国内債務の再編が必要になった。
政府は対外債務についても、債券保有者や中国、日本、インドなどの二国間債権者と再編協議を進めている。
国内債務の再編では、スリランカ開発債(SLDB)など国内で発行されたドル建て債の保有者に3つの選択肢を提示する。
(1)国際ソブリン債と同様の条件:30%の元本削減、満期6年、金利4%。
(2)二国間のドル建て債権者と同様の条件:元本削減なし、満期15年、猶予期間9年、金利1.5%。
(3)自国通貨建て債券への切り替え:元本削減なし、満期10年、金利はスリランカ常設貸出ファシリティー金利(SLFR)+1%。
年金基金など老齢退職基金が保有する自国通貨建て債券は金利9%の新たな債券に切り替える。
今回の再編策は来月1日に議会に提出して承認を求める。
これに先立ち、世界銀行は29日、スリランカ向けの予算・福祉支援7億ドルを承認。5億ドルは予算支援に、2億ドルは経済危機で特に打撃を受けた層への福祉支援に充てる。
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