- 2023/06/30 掲載
大株主の日航、ANAが反対票=乗田社長の再任否決―空港施設
国土交通省の元事務次官による人事介入が問題となった民間企業「空港施設」の株主総会が29日、東京都内で開かれ、日本航空出身の乗田俊明社長の取締役再任議案が否決された。大株主の日航とANAホールディングス(HD)がそれぞれ反対票を投じたことが関係者の話で分かった。
会社側が提案した乗田氏以外の取締役候補8人の選任案は可決した。総会後の取締役会で、乗田氏の後任として田村滋朗常務の社長昇格が決定。日航出身の西尾忠男氏、ANAHD出身の三宅英夫氏がそれぞれ代表権のある副社長に就任した。
空港施設が先月発表した新体制案では、人事介入問題を受け、会社設立以来初めて旧運輸省や国交省OBの取締役がゼロとなったほか、ANAHD出身の稲田健也会長が退任。乗田氏が留任して引き続き経営を主導する予定だった。乗田氏の再任反対についてANAHDは「人心を一新すべきだと判断した」と説明した。
空港施設には日航とANAHDが約21%ずつ、日本政策投資銀行が約14%出資している。乗田氏は日航で社長候補とも目されていたが、2017年に空港施設に転じていた。
人事介入問題では、本田勝元国交省次官が乗田氏ら経営陣に対し、同省OBの副社長(当時)の社長昇格を求めたことが3月の報道で発覚。また、この報道直前に本田氏と会食し、同席した民間事業者から接待を受けていたことが分かった国交省の久保田雅晴航空局長が26日付で懲戒処分を受け、辞職することが決まっている。
【時事通信社】
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR