- 2023/07/08 掲載
NY市場サマリー(7日)円急伸、株続落 短期債利回り低下
<為替> 日本円が急上昇した。米10年債利回りが4%を超えたことで日本当局が介入するとの懸念が広がった。一方、米雇用統計を受けて連邦準備理事会(FRB)による積極的な利上げ観測が後退し、ドルは下落した。
円は対ドルで1.37%高の142.13円と2週間ぶりの高値を付けた。コンベラのシニアマーケットアナリスト、ジョー・マニンボ氏は米10年債利回りが4%を上回ったことで日本当局が為替市場に介入するとの市場の懸念が高まったと指摘。「今週の主要なテーマはリスク回避であり、ドル/円が高値圏で推移していることも相まって、市場は日本が再び円買い介入するのではないかと神経質になっている」と述べた。
その上で「特に米10年債利回りが4%超を維持している中では超えてはならない一線とみられる145円はなお射程内」とし、「ドル/円の下方向への動きは非常に限定的」と述べた。
一方、ドル指数は0.776%安の102.280。ユーロ/ドルは0.72%高の1.0964ドル。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 短期債利回りが低下した。米雇用統計を受け、連邦準備理事会(FRB)による積極的な利上げ懸念が緩和した。一方、長期債利回りは上昇した。
米労働省が7日発表した6月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は予想以上に伸びが鈍化し、2020年12月以来2年半ぶりの小幅増にとどまった。
市場は来週12日に発表される消費者物価指数(CPI)に注目している。
10年債利回りは0.7ベーシスポイント(bp)上昇の4.048%となった。
BMOキャピタル・マーケッツ(ニューヨーク)の金利ストラテジスト、ベン・ジェフェリー氏は「今週発表されたデータを受け、市場はおそらく非農業部門雇用者数について少なくともコンセンサスかそれ以上の内容を見込んでいたが、実際発表された内容はやや弱いもので、(過去分の)大幅な下方修正も伴っていた」と指摘。「7月の連邦公開市場委員会(FOMC)におけるFRBの見通しを大きく変えるほどのものではなかったと思うが、7月のFOMCでの判断を巡り来週12日発表のCPIの重要度が増した。また現時点では9月のFOMCがより大きな不確定要素になる」と述べた。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 振れる展開となる中、続落して終了した。朝方発表された米雇用統計をこなした後、投資家は月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)までに発表される一連の指標や企業決算に身構えている。
S&P総合500種は午後の取引の大半をプラス圏で推移していたものの、引けにかけ売りが出た。週足ではS&Pが約1.2%、ダウ工業株30種が約2%、ナスダック総合が0.9%それぞれ下落した。
LPLファイナンシャルのチーフグローバルストラテジスト、クインシー・クロスビー氏は「来週は企業決算シーズンが始まり、週半ばには主要インフレ指標が発表されるため、投資家は慎重になっている」と指摘した。
S&P主要11セクター中、ディフェンシブ銘柄の下げが目立ち、主要消費財は1.3%安。一方、エネルギーは2.1%高、原材料は0.9%高。
景気に敏感な小型株で構成されるラッセル2000.RUT>は1.2%上昇した
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> 米長期金利の低下やドル安などを背景に買いが膨らみ、3営業日ぶりに反発した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比17.10ドル(0.89%)高の1オンス=1932.50ドル。週間では3.10ドル(0.16%)上昇した。プラスでの越週は4週ぶり。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> ドル安を追い風に買いが膨らみ、3日続伸した。米国産標準油種WTI8月物の清算値(終値に相当)は、前日比2.06ドル(2.87%)高の1バレル=73.86ドル。中心限月の清算値としては約1カ月半ぶりの高値となった。週間では4.56%上昇。9月物は1.98ドル高の73.77ドルだった。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
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