- 2023/07/09 掲載
地熱調査で蒸気、ヒ素検出=三井石油開発社長が謝罪―北海道
北海道蘭越町で地熱発電の資源量を調べる掘削作業中に蒸気が噴出、敷地内の水たまりから高濃度のヒ素が検出され、事業者の三井石油開発の原田英典社長が8日、町内で記者会見して謝罪した。「多大なる心配をかけ、おわびする」と述べ、水を敷地外に放出しないよう北海道から指導を受けたと明らかにした。
同社によると、掘削は6月25日に開始。29日午前11時半ごろ、地下200メートル付近まで掘削したところで蒸気が噴出した。蒸気や熱水がたまった地層の割れ目に当たったことが原因とみられる。7月8日時点で噴出は続いており、今後スチールなどでふたをして止めるという。
同社はたまった水を2日から敷地外に放出していたが、敷地内の水から1リットル当たり最大15.9ミリグラムのヒ素が検出されたことが6日に確認された。国が定める飲料水の基準の1590倍、農業用水の318倍に相当する。同社は「直ちに人体に影響が出るものではない」と説明しているが、周辺環境への影響が懸念されている。
この問題では、噴出が始まった当日に現場に弁当を配達した1人が一時入院し、硫化水素中毒と診断された。町の相談窓口には3人が体調不良を訴えているという。
【時事通信社】 〔写真説明〕三井石油開発の地熱発電調査エリアから噴出する蒸気=8日午後、北海道蘭越町 〔写真説明〕記者会見で謝罪する三井石油開発の原田英典社長(中央)ら=8日午後、北海道蘭越町
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