- 2023/07/09 掲載
イエレン氏、中国と健全な競争希望 李首相「協力強化が正しい選択」
[北京 7日 ロイター] - 北京を訪れているイエレン米財務長官は7日、中国の李強首相と会談し、「勝者総取り」ではなく、両国に利益をもたらす公正なルールに基づいた健全な競争を求めていると語った。
準備原稿で、今回の訪中が2国間の定期的な意思疎通を促進することを期待すると述べ、両国は気候変動など世界的な課題に対して「リーダーシップを発揮する」義務があるとの考えを伝えた。
「(米国は)状況によっては自国の安全保障を守るために的を絞った行動を取る必要がある」としつつ、そのような動きを巡る意見の相違が両国の経済関係を危うくするべきではないと述べた。
イエレン氏は1月にスイスのダボスで開催された世界経済フォーラムでの李首相の「相違は対立の原因ではなく、より多くのコミュニケーションと交流の原動力となるべきだ」という発言を引用し、中国との意思疎通拡大への期待感を示した。米財務省は、会談は「率直かつ建設的」だったとしている。
中国財政省は7日、イエレン米財務長官の訪中について声明を出し、経済・通商関係の健全な発展に向けた望ましい環境を整備するため、米国が「具体的な行動」を起こすことを期待すると表明。「貿易戦争やデカップリング、『チェーンの断ち切り』から勝者が生まれることはない」と述べた。
中国国営メディアによると、李首相は「中米関係に安定とプラスのエネルギーを注入する上で、協力の強化が必要で、両国にとって正しい選択だ」と述べた。
また、イエレン氏の乗った航空機がワシントンから到着した際に虹が現れたとし、米中関係の将来に希望が持てると発言。「中米関係には風雨だけでなく、それ以上のものがあると思う。さらに虹がかかることは確実だ」と述べた。
中国政府はその後、李首相の声明を発表。李氏は、両国の経済関係に安定と前向きなエネルギーもたらすために「率直で詳細、かつ実利的な交流」を行うことを呼びかけ、「米国が理性的で現実的な態度を堅持し、中国に歩み寄り、二国間関係を早期に軌道に戻すことを望んでいる」とした。
声明には、半導体の材料となるガリウムやゲルマニウム関連製品の輸出管理の強化に関する言及はなかった。
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