- 2023/07/11 掲載
中国のガリウム輸出規制、次世代EV設計に変更もたらす可能性
各メーカーはEVの効率を高め、重量を減らそうとしている。窒化ガリウムはその両方を実現し、プラチナやパラジウムといった他の半導体材料よりもはるかに安価だ。
欧州の業界団体「重要原材料アライアンス(CRMA)」によれば、ガリウムは約80%が中国で生産されている。
EVにとって、窒化ガリウムは熱を発生させることなく大電力を扱うことができるため、車載充電器や、場合によってはインバーターに理想的だ。
しかし、専門家からは自動車メーカーが考え直す必要に迫られるかもしれないとの声も。
クリティカル・ミネラルズ・インスティチュートのディレクター、アラステア・ニール氏は、次世代EV設計の初期段階にある自動車メーカーは新たなサプライチェーン(供給網)リスクを冒すよりも、窒化ガリウムの方が約30%パフォーマンスが良いとはいえ、炭化ケイ素を選ぶ可能性があると述べた。
「すでに窒化ガリウムに依存し、それをプラットフォームとして設計しているのであれば問題だ」という。
多くの自動車メーカーは状況を注視している。
日本のある自動車サプライヤーの関係者はロイターに対し、将来のパワー半導体に窒化ガリウムを使うか、炭化ケイ素を使うかを検討していると明らかにし、「もちろんこの要因(中国の輸出規制)は将来これらのデバイスを大量に使用する場合に問題になるだろう」と語った。
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