- 2023/07/15 掲載
ゲーム老舗が名作復刻へ=サンソフト、巻き返し狙う―ファミコン40年
家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」の発売から40年を迎え、ゲームソフトの老舗サンソフトが名作を復刻するため本格始動している。近年はほそぼそとした活動にとどまっていたが、経営陣刷新を機に過去の知的財産を生かす方針に転換。巻き返しに向け活気づいている。
サンソフトは通信機器サン電子のゲーム部門。今回の復刻では、1980年代に発売した「かんしゃく玉なげカン太郎の東海道五十三次」「マドゥーラの翼」「リップルアイランド」の3作品を「ニンテンドースイッチ」などで遊べるようにする。必要な資金は14日からクラウドファンディングで募集。目標金額は600万円で、達成できたら上積みを目指し、ブランド名刻印入りの金色カセットの製作も狙う。
最近はスマートフォン向けゲームなどを手掛けていたが、ヒット作に恵まれず赤字が続いて「社内でお荷物扱い」(広報)となっていた。潮目が変わったのは2020年。大株主の香港投資ファンド、オアシス・マネジメントが提案した役員刷新が臨時株主総会で可決されたためだ。新経営陣はサンソフトの知財を生かす方針を示した。
昨年8月、インターネットに過去発売したタイトルを並べて「復活」を告げる動画を掲載。プロジェクトを取り仕切る越知雄一部長は「海外からも反響が届き、思った以上の反応があった」と驚く。知名度のある旧作や自前の開発チームなどの強みを生かし、操作にコツが必要でファンの心をつかんでいるアクションゲーム「いっき」のリメーク作を今年2月に発売。新作開発なども進めている。
近年、ファミコンなどのソフトは「レトロゲーム」と呼ばれ、動画配信サイトでプレー動画などが人気だ。越知部長は「サンソフトにはレトロな空気を感じるのにもってこいの財産がある。80年代特有の空気感を届けたい」と意気込んでいる。
【時事通信社】 〔写真説明〕サン電子のゲーム部門のサンソフトが1980年代に発売し、復刻を目指すファミリーコンピュータ(ファミコン)ソフト3本(サン電子提供) 〔写真説明〕アクションゲーム「マドゥーラの翼」の原画(サン電子提供) 〔写真説明〕サン電子のゲーム部門のサンソフトがファン向けに発行していた会報誌(サン電子提供)
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