- 2023/07/28 掲載
米フォード、EV増産ペース減速へ 好調な商用車部門に注力
[27日 ロイター] - 米フォード・モーターのジム・ファーリー最高経営責任者(CEO)は27日、生産戦略の大きな変更を発表した。赤字が続く電気自動車(EV)部門の増産を遅らせ、好調な商用車部門に投資資金を振り向けるほか、今後5年間でハイブリッド車の販売を4倍に増やす計画という。
同社は予想以上に膨らむ見通しであるEV部門「フォード・モデルe」の損失を商用車部門「フォード・プロ」と内燃エンジン車部門「フォード・ブルー」の利益が補えるとみている。
プロとブルー両部門の業績が好調だったため、通年の税引き前利益予想を110億─120億ドルとし、従来の90億─110億ドルから引き上げた。
両部門の通年の利払い・税引き前利益(EBIT)は各約80億ドルを見込む。
一方、EVの年間生産台数を60万台に増やす目標については、年内達成が後ずれして2024年になるとの見通しを示した。
EV部門の今年の損失は45億ドルになるとし、従来予想(30億ドル)から引き上げた。
同時に発表した第2・四半期決算は、利払い・税引き前利益(EBIT)が前年同期の37億ドルから38億ドルに小幅増加した。利益率は9.3%から8.4%に低下した。
売上高は前年同期の402億ドルから450億ドルに増加した。
EV部門は第2・四半期に納車1台当たり平均3万2000ドル以上の損失を計上した。
ウェルズ・ファーゴのアナリスト、コリン・ランガン氏は27日付の投資家向けノートで、フォードの新たな通期税引き前利益ガイダンスは下期の利益が43億ドルと、上期の72億ドルを大幅に下回ることを示すと指摘した。
プロの第2・四半期税引き前利益は24億ドルと、ブルーの23億ドルを上回った。プロの利益率は15.3%と全体の倍近くとなった。ブルーは9.2%。
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