- 2023/07/28 掲載
資本規制強化に反発=米銀の競争力低下懸念―米金融界
【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)が27日発表した資本規制強化案に対し、金融業界で反発が広がっている。「米金融システムは安全で強固だ」(業界団体)といった規制強化への疑問の声や、資本増強がもたらすコスト増で「欧州などと競争できなくなる」(バンク・オブ・アメリカのモイニハン最高経営責任者=CEO=)との懸念も出ている。
FRBは同日、シリコンバレー銀行(SVB)などの一連の銀行破綻を踏まえ、総資産1000億ドル(約14兆円)以上の中堅・大手行を対象に自己資本規制を厳格化する規制案を発表した。
金融大手の業界団体、金融サービスフォーラムのケビン・フロマーCEOは声明で、資本積み増しのため、「住宅金融から中小企業融資まで幅広い金融サービスのコストが上昇する」と批判。資本要件を満たすため、銀行が資産を減らし、融資を絞る可能性があると指摘した。
FRB内部からも反対の声が上がっている。ボウマン理事は、SVBなどの破綻原因は「ずさんなリスク管理と不十分な金融監督であり、資本不足ではない」と強調。資本増強を迫られる銀行の負担が重過ぎるため、再検討すべきだと訴えた。
【時事通信社】 〔写真説明〕米連邦準備制度理事会(FRB)本部=ワシントン(AFP時事)
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