- 2023/07/28 掲載
デンソー、今期営業益6000億円上振れへ 円安と車両生産回復を反映
[東京 28日 ロイター] - デンソーは28日、2024年3月期の連結業績(国際会計基準)について、営業利益予想を6000億円に上方修正した。従来の5100億円から900億円引き上げた。為替の円安効果や部品不足解消などに伴う車両生産の回復を反映した。
修正後の営業利益予想は、IBESがまとめたアナリスト21人のコンセンサス予想(6057億円)とほぼ同水準となる。
今期の想定為替レートは円安方向へ見直し、1ドル=132円(従来は125円)、1ユーロ=142円(同135円)に修正した。
デンソーは期初の業績予想では、顧客の自動車メーカーの車両生産計画を保守的に見積もって約10%の減産リスクを織り込んでいたが、松井靖副社長はこの日の会見で、足元までの増産基調を勘案して「6%」の減産に見直したと説明した。電気自動車(EV)など向けインバーターや運転支援技術向けセンサーなどが好調に推移している。
松井副社長は同時に、中国とタイで販売が下振れる懸念も示した。中国ではEVの品ぞろえが豊富な現地メーカーの販売が好調な一方、顧客の日系メーカーを含む外資系の車両販売は低迷しており、7─9月期以降は「中国の下振れリスクを無視できない」とも語った。さらに、中国に比べると影響は軽微としつつ、タイでローン審査の厳格化が進んでおり、タイの販売が「足元で下振れし始めている」と述べた。
また、「エネルギーや資材の価格は少し落ち着いてきているが、半導体の値上げは依然として続いている」と指摘した上で、半導体価格は「想定より少し上振れしているが、吸収できる」と話した。「今期は賃上げをしっかりやろうと考えている」と述べ、仕入れ先分(約60億円)を含めて予算290億円を確保済みだが、適正に単価へ反映したいとの考えを示した。
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