- 2023/08/31 掲載
異例の事態、イメージ低下懸念=労組へ応援の声も―西武池袋スト
米ファンドへの売却強行に抗議し、そごう・西武の労働組合が西武池袋本店(東京都豊島区)でのストを決めた。百貨店としては約60年ぶりとなる異例の事態。全館臨時休業で利用客や取引先に不便・混乱が生じ、イメージ低下につながりかねない。一方、買い物客や同業者からは従業員の心情を察し、応援する声も聞かれた。
西武池袋本店はターミナル駅に直結し、1日平均10万人以上が来店する国内で売上高3位の百貨店店舗。スト決定に伴い、従業員は当日に納品できないことや予定していた催事の変更など、取引先への連絡に追われた。
注文していた食品や衣料品を受け取りに来店する予定だった客には、日程変更や受取店舗の変更を要請。入店するペットショップの動物への餌やりについても代替要員を手当てした。
同店には「ルイ・ヴィトン」など海外高級ブランドも複数あり、1日の休業でブランドによっては「数千万円の売り上げが吹き飛ぶ」(関係者)との見方がある。テナント従業員も休業するため、今後補償が問題になりそうだ。「取引先や客の信頼を失いかねない」(他の百貨店幹部)との指摘もある。
一方、そごう・西武の労組が28日に開いた記者会見には、高島屋など複数の大手百貨店の労組幹部が同席し、支援する姿勢を鮮明にした。連合は30日、「苦渋の決断をした組合員が雇用不安を抱えている状況を憂慮し、経営側に早期の収拾を強く求める」とのコメントを発表した。
労使問題に詳しい浜口桂一郎労働政策研究・研修機構所長は「ストは労働者の権利だ。今回の結果がどうなるか分からないが、売却後の使用者の(雇用維持などについて)対応にくぎを刺す狙いもあるのかもしれない」とみている。
【時事通信社】
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