- 2023/10/10 掲載
米国株式市場=続伸、中東情勢受けエネルギー関連株が上昇
[9日 ロイター] - 米国株式市場は続伸して取引を終えた。投資家がパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエルとの衝突に関する報道に注目する中、エネルギー関連株が上昇した。
イスラエル軍は9日、ハマスとの大規模戦闘に向け、過去最高となる30万人の予備役を招集したとし、ガザを「完全包囲」すると表明。ガザへの地上作戦を計画していることを示唆した。
中東情勢の緊迫で原油先物が供給を巡る懸念から急騰したが、株価指数は米連邦準備理事会(FRB)当局者からよりハト派的な発言が出たことを受け、序盤の安値から切り返した。
ハンティントン・ナショナル・バンクのジョン・オーガスティン最高投資責任者は「株式市場は経済と企業業績に注目している。米経済は減速しておらず、今週発表が始まる企業決算は後退から脱却する見通しだ」と指摘。市場ではこうしたファンダメンタルズ(基礎的条件)の方が地政学的なニュースより強力だと述べた。
FRB当局者は9日、最近の米長期債利回り上昇がFRBによる追加利上げの必要性を低下させる可能性があるとの見方を示唆した。
原油高を受けてエネルギー株は3.5%上昇。S&P500の主要11セクターで上昇率トップとなった。
ユナイテッド航空、デルタ航空、アメリカン航空はいずれも4%超下落。原油高に加え、テルアビブ便の運航を停止したことが重しとなった。
防衛関連株は買われ、宇宙航空・防衛指数は5.6%高で終了。ノースロップ・グラマンが11.4%、L3ハリス・テクノロジーズが約9.96%、それぞれ急伸した。
イスラエルにエクスポージャーがある上場投資信託(ETF)は売り込まれ、アイシェアーズMSCIイスラエルETFとアーク・イスラエル・イノバティブ・テクノロジーETFがともに7%超下落した。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.19対1の比率で上回った。ナスダックでは1.03対1で値下がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は87億1000万株。直近20営業日の平均は106億8000万株。
米株投資家の不安心理の度合いを示すVIX指数は一時19.6に上昇した後、17.70で取引を終えた。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 33604.65 +197.07 +0.59 33259.84 33631.81 33253.69
前営業日終値 33407.58
ナスダック総合 13484.24 +52.90 +0.39 13326.22 13509.30 13277.48
前営業日終値 13431.34
S&P総合500種 4335.66 +27.16 +0.63 4289.02 4341.73 4283.79
前営業日終値 4308.50
ダウ輸送株20種 14941.05 +133.32 +0.90
ダウ公共株15種 810.30 +10.16 +1.27
フィラデルフィア半導体 3467.35 -7.86 -0.23
VIX指数 17.70 +0.25 +1.43
S&P一般消費財 1262.98 +2.26 +0.18
S&P素材 491.61 +0.72 +0.15
S&P工業 866.19 +13.69 +1.61
S&P主要消費財 704.98 +0.47 +0.07
S&P金融 549.55 +0.19 +0.04
S&P不動産 213.27 +2.73 +1.30
S&Pエネルギー 680.01 +23.22 +3.54
S&Pヘルスケア 1520.70 +5.42 +0.36
S&P通信サービス 231.17 +2.18 +0.95
S&P情報技術 3003.98 +12.88 +0.43
S&P公益事業 293.44 +2.93 +1.01
NYSE出来高 7.89億株
シカゴ日経先物12月限 ドル建て 31285 + 265 大阪比
シカゴ日経先物12月限 円建て 31255 + 235 大阪比
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