- 2023/10/10 掲載
米国債先物は上昇、中東緊迫とFRB高官のハト派発言で
[ニューヨーク 9日 ロイター] - 9日の米国債先物は、中東情勢の緊迫で安全資産として債券が買われるとの期待や、連邦準備理事会(FRB)高官のハト派的な発言を受けて上昇した。現物市場は祝日のため休場だった。
10年物国債先物価格は、1週間ぶりの高値を付けた。インプライド利回りは4.62%。6日の現物利回りは4.78%だった。
CMEグループのデータによると、先物市場では11月の米利上げ確率は6日の27%から12%に低下。12月の利上げ確率は38%から24%に低下した。
ペン・ミューチュアル・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ジウェイ・レン氏は、中東の混乱により10日に現物国債が買われても驚くべきことではないと指摘。ただ、9日の流動性は祝日で乏しかったため、現物がどの程度買われるか予測するのは難しいと述べた。
一方、FRBのジェファーソン副議長は、政策金利のさらなる引き上げが正当化されるか否かを判断する際には「引き締めが十分でなかったというリスクと、政策が制約的になりすぎたというリスクとのバランスを取らなければならない」としながらも、慎重に進めることが可能との見解を示した。
ダラス地区連銀のローガン総裁は、最近の米長期債利回りの上昇と金融情勢の引き締まりは急速ではあるが、「秩序だった」ものであり、FRBによる追加利上げの必要性を低下させる可能性があると述べた。
追加利上げ観測の後退に加え、市場ではFRBが来年5月にも利下げを開始するとの見方が強まった。同月に25ベーシスポイントの利下げが行われる確率は先週末の27%から38%に上昇した。
グレンミードの投資戦略担当副社長、マイケル・レイノルズ氏は「FRBが(追加利上げという)余計な一歩を踏まなくても、金融情勢が引き締まっているという認識がある程度ある」と指摘。利上げの可能性がなくなったとは思わないとしつつ、少しずつ低くなっているとの認識を示した。
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