- 2023/10/14 掲載
過度な為替変動望ましくなく、場合によって適切な対応必要=鈴木財務相
[マラケシュ(モロッコ)/東京 13日 ロイター] - 鈴木俊一財務相は13日(日本時間14日)、モロッコのマラケシュで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に出席し、過度な為替変動は望ましくなく、状況に応じて適切な対応が必要との認識を示した。会議後の記者会見で明らかにした。
インドが議長国を務めるG20では、日本を含め多くの国がウクライナとの連帯を表明するとともに、ロシアを強い言葉で非難したという。さらにイスラエルとイスラム組織ハマスの衝突に対し、「深刻な憂慮」を自身が表明したことも明らかにした。
世界経済に関しては「最近のショックに対して強靭性を示している一方、引き続きリスクが下方に傾いているとの認識が共有された」と説明。世界的に金融引き締めが続く中、「為替市場も含め、金融市場の変動が高まるリスクに留意すべきで、為替相場の過度な変動は望ましくなく、場合によっては適切が対応が求められることもあることなどを発言した」と明かした。
会見に同席した日銀の植田和男総裁は「G7、G20に出席したことによって、私どもの世界経済見通しが前の時点に持っていた見通しに大きく影響を与えるという見方の変化はなかった」とした。
今年7月の金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の修正を決めたことにも触れ、「YCCの枠組みが市場のボラティリティ(変動率)をかえって高めてしまうことをなるべく避けるような議論をもってなされた措置」と振り返った。
会見では、G20に先立つ主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議での中東情勢を巡る文言調整について、鈴木財務相が「様々な国が、様々な立場を表明して、その議論の中で深まっていくもの。当初はいろんな濃淡はあったと思うが、結果としてああいう文書にまとまった。そこには揺るぎない結束というものがある」と説明する一幕もあった。
G7は、ハマスによるイスラエルへの攻撃を非難する共同声明を採択して12日、閉幕した。
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