- 2023/11/02 掲載
マネタリーベース、10月平残は9.0%増 2021年11月以来の伸び率
[東京 2日 ロイター] - 日銀が2日に発表した10月のマネタリーベースの平均残高は、前年比9.0%増の670兆6127億円だった。伸び率は2021年11月以来の大きさ。国債買い入れ、共通担保オペなど各種オペに加え、新型コロナウイルス対応特別オペの返済が今年6月で完了したことも引き続き押し上げ要因。
内訳は、日銀当預が11.2%増の545兆1979億円で3カ月連続で増加した。21年10月以来の伸び率。紙幣は0.3%増の120兆6554億円、貨幣は2.4%減の4兆7594億円だった。
10月末のマネタリーベース残高は677兆2899億円で歴代5位の高水準。
マネタリーベースは、市中に出回っている現金と金融機関が日銀に預けている当座預金の合計値で、日銀が供給する通貨を表す。
日銀は10月31日の金融政策決定会合で、イールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)の運用の更なる柔軟化を決めた。10年金利について、1%を上限の「目途」として1%を超える上昇を容認する一方、大規模な国債買い入れと機動的なオペ運営で金利をコントロールしていく方針を示した。マネタリーベースについては、消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで拡大方針を続けると改めて声明文に明記した。
(和田崇彦)
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