- 2025/03/12 掲載
NY外為市場=ユーロ5カ月ぶり高値、ウクライナ停戦受け入れを好感
米国はウクライナと11日にサウジアラビアで実施した高官協議で、ウクライナへの軍事支援と情報共有を直ちに再開することで合意。両国が発表した共同声明によると、ウクライナはロシアと30日間の暫定停戦を巡る米国の提案を受け入れる用意があると表明した。
これを受け、ユーロが上昇。対ドルで1.0947ドルに上昇し、昨年10月以来の最高値を付けた。終盤の取引では0.86%高。月初からの上昇率は5%を超えた。
ユーロは対円で1ユーロ=161.78円に上昇。1月以来の高値を付けた。終盤の取引では1.29%高の161.57円。
マネックスUSAのトレーディングディレクター、フアン・ペレス氏は、欧州諸国の防衛支出の増加に加え、ウクライナの停戦見通しはユーロ相場にとってプラスになると指摘。「たとえ1カ月間だけであっても停戦が実現し、ロシアとウクライナの間で何か具体的な進展が実際に得られるという見通しは、ユーロにとって極めて良い兆候になる」と述べた。
米国ではこの日、トランプ大統領がカナダから輸入する全ての鉄鋼とアルミニウムに追加的に25%の関税を課すよう商務長官に指示したと表明。合計の関税率は50%になる計算だが、その後トランプ氏は、カナダから米国に輸入される物品に対する関税を「おそらく」引き下げるつもりだと述べた。
米ドルはカナダドルに対し上昇し、一時1米ドル=1.4521カナダドルと、3月4日以来の高値を付けた。その後は下落に転じ、終盤の取引では0.28%安。
米ドルは米経済成長と貿易を巡る懸念が重しになり、主要通貨に対して引き続き弱含みで推移している。主要通貨に対するドル指数は0.57%安の103.27。7営業日連続で低下した。
ドル/円はこの日の取引では0.31%高の147.72円。ただ、月初からは1.93%下落している。
スタンダードチャータードバンク(ニューヨーク)G10為替リサーチ・北米マクロ戦略グローバル責任者、スティーブ・イングランド氏は、「(ユーロ圏の主要金利である)独連邦債利回りは上昇を続け、米国の株式市場は引き続き軟調に推移している」とし、「脆弱だったものは全て脆弱な状態が続いている」と述べた。
ドル/円 NY終値 147.77/147.79
始値 147.55
高値 148.11
安値 147.03
ユーロ/ドル NY終値 1.0918/1.0920
始値 1.0890
高値 1.0947
安値 1.0882
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