- 2025/04/25 掲載
米P&G、貿易戦争で一部商品値上げへ 通期業績見通し下方修正
トランプ米大統領の関税政策により世界の市場は動揺しており、P&Gにとって最大の市場である米国では景気後退の懸念がくすぶっている。
P&Gのアンドレ・シュルテン最高財務責任者(CFO)は電話会見で「関税が当社のコスト構造と損益にもたらす影響を和らげるため、あらゆる措置を講じる必要がある」と指摘。中国からの原材料の調達を変更するのは短期的には複雑かつ困難であるため、価格設定とコスト削減が主な措置になると説明した。
シュルテン氏は、中国からの輸入品に145%の関税が課されており、これを基にした同社のコストは年間で10億-15億ドル程度増えるとの推計を示した。
P&Gは新商品を予定より高い価格で販売するとともに、既存商品の一部は値上げを目指すと表明。美白効果のはる歯磨き粉「クレスト」や洗剤「タイド・エボ」といった幅広い商品の刷新を目指すと付け加えた。
シュルテン氏は、同社がどの程度値上げするかを推測するのは時期尚早であり、現在は7月に始まる来年度の計画を策定していると説明。価格設定に際してはウォルマートやターゲット、アマゾンといった提携小売業者の意向も踏まえて決定するという。
P&Gが24日発表した2025年度第3・四半期(1─3月)決算は、純売上高が前年同期比2%減の197億8000万ドルとなった。LSEGが集計した市場予想は0.44%減だった。
調整後の1株利益は1.54ドルとなり、市場予想を0.01ドル上回った。
同社は25年度通期の1株当たり中核利益を6.72─6.82ドルとの見通しを示し、従来の6.91─7.05ドルを下方修正した。25年度通期の純売上高は前年並みと予想。従来は2─4%増と見込んでいた。
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