- 2025/04/25 掲載
米資産差し押さえ、現実的リスクでない=ノルウェー政府系ファンド
[オスロ 24日 ロイター] - 世界最大級の政府系ファンド(SWF)であるノルウェー政府年金基金の運用責任者は24日、保有する米資産が差し押さえられる現実的なリスクはないとの見解を示した。
同ファンドの資産は昨年末時点で、株式、国債、不動産を含む米資産が約53.2%を占めた。
ノルウェー国内では、米国の経済政策を巡る不確実性を踏まえ、米資産には差し押さえや、短期米国債が100年債へ強制交換されるといったリスクがあるとの懸念が出ている。
ファンドを運営するノルウェー中央銀行投資管理部門(NBIM)のニコライ・タンゲン最高経営責任者(CEO)は、こうしたリスクをどう考えているかとの質問に対し、「われわれが注視している多くのリスク要素の一つだが、信ぴょう性があるとは考えていない」と述べた。
同ファンドのトロン・グランデ副CEOは、「ロシアの例を見れば分かるように、国が法律を変えて資産を差し押さえることは可能だ。しかし、それは恐らく防ぎようがない。最初から投資しない以外の手段はない」と指摘した。
その上で「われわれにできるのは、資産状況を適切に把握し管理するために適切な資産管理機関(カストディアン)を確保することだ」と語った。
グランデ氏によると、ファンドのカストディアンはシティバンクで、最近この件に関してシティバンクと連絡を取っていないという。
<米国債への信頼>
同ファンドは4月は米国債を売買していないと明らかにした。NBIMのウェブサイトによると、2024年末時点で1575億ドル相当の米国債と米物価連動債を保有している。資産全体の約9%に相当し、前年の1324億ドルから増加した。
グランデ氏は「米国債に対する見方は変わっていない。依然として金融市場で最も安全な資産だ」と述べた。
タンゲン氏は、長期的な運用目標を掲げているため、市場でボラティリティーが高かった4月は「ほとんど行動を起こさなかった」と述べた。むしろ、割安になった株式を購入する時期だったと説明した。
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