- 2025/05/07 掲載
米中高官、週末にスイスで会談へ ベセント氏「緊張緩和が必要」
[ワシントン 6日 ロイター] - 米財務省と米通商代表部(USTR)は6日、ベセント財務長官とグリアUSTR代表が今週、中国の経済担当高官とスイスで会談すると発表した。世界経済を混乱させている貿易戦争の解決に向けた第一歩となる可能性がある。
報道を受け、米S&P500種Eミニ先物は約1%上昇した。
両氏は8日にジュネーブを訪問するという。貿易交渉を巡りケラーズッター大統領とも会談するという。
ベセント氏は発表後、FOXニュースで、10─11日に会談を行うと明かし、「今回は大きな貿易合意についてではなく、緊張緩和に関するものになるだろう。前進する前に緊張を緩和しなければならない」と述べた。
トランプ政権は中国との繊維製品などの貿易からのデカップリングは望んでいないが、半導体、医薬品、鉄鋼など戦略的産業では生産を米国に回帰させる決意だと述べた。
一方、中国商務省は7日、何立峰副首相が9─12日にスイスを訪問し、ベッセント米財務長官と会談すると発表した。同省報道官は声明で「世界的な期待、中国の利益、米国の産業界と消費者の訴えを十分に考慮した上で、中国は米国と改めて関与することを決定した」とした上で、「もし(米国の)言動と行動が違ったり、あるいは協議を口実に威圧と脅迫を続けようとしたりすれば、中国は決して同意しない」と述べた。
ベセント氏は発表に先立ち出席した下院歳出委員会で、早ければ週内に主要貿易相手国の一部と貿易協定を巡る合意を発表する可能性があると説明。また、主要貿易相手国17カ国と交渉を進めているものの、中国とはまだ交渉に入っていないと述べていた。
ベセント氏は中国側との協議に関する発表声明で「米国の利益により資するような国際経済システムの再均衡に向けて取り組む中、生産的な協議ができることを期待している」と述べた。
グリア氏も声明で「トランプ大統領の指示の下、私は各国と貿易関係を再び均衡させ、相互主義を実現し、新たな市場を開拓し、米国の経済と国家安全保障を守るために交渉している」と表明した。
ただ、当局の声明では、中国当局者との会談が交渉開始であるとは言及されていない。
PR
PR
PR