- 2025/05/10 掲載
独首相、EUの共同借り入れ排除せず 欧州の防衛力強化に向け
[ブリュッセル 9日 ロイター] - ドイツのメルツ首相は9日、防衛力強化に向けた欧州連合(EU)の共同借り入れを排除しない考えを示した。ただ、こうした借り入れは例外的な状況に限られるとし、同時に世界的な債務膨張への懸念も示した。
メルツ氏は首相就任後初めてブリュッセルを訪問。北大西洋条約機構(NATO)本部で記者団に対し「米国は現在、そして将来、欧州の安全保障にとって不可欠な存在だ」との認識を表明。2月の時点ではNATOが現在の形で存続できるか疑問視していたものの、現在はより楽観的な見方を持っていると明らかにした。
また、欧州委員会のフォンデアライエン委員長との共同記者会見で、世界中で増加し続けている国家債務について懸念を示し、これには欧州だけでなく、米国なども含まれるとした。
ロシアのウクライナ侵攻や他の欧州諸国に対する敵対行為に加え、NATO同盟国支援に向けた米国の消極的な姿勢を巡る懸念から、欧州で防衛費増強に向けた動きが加速。多くの欧州諸国が防衛費拡大のためにEUの共同借り入れを支持している。
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