- 2025/07/15 掲載
ウニクレディトの国内同業買収、伊政府の条件にEUが警告書
[ローマ 14日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会は14日、イタリアの銀行大手ウニクレディトが計画している同業バンコBPMの買収にイタリア政府が条件を課したことはEU法に抵触する可能性があるとの警告書を出した。
イタリア首相官邸は、「協調的かつ建設的な精神で」欧州委員会に対応するとの声明を発表したが、サルビーニ副首相は、同国銀行部門に対する介入方法にEUは口を出すべきではないと反論。輸入品の関税強化を打ち出したトランプ米政権との貿易交渉にEUは集中すべきだと訴えた。
「イタリアはEUの誰にも介入されることなく、自国の思うままに立法することができるし、そうでなければならない」と記者団に語った。
ウニクレディトは、ロシアによるウクライナ侵攻後もロシア事業を続けている。イタリアは、銀行業などの戦略的に重要な特定分野を対象にした規制に基づき、ウニクレディトが西側企業の決済を除いてロシアでの活動を2026年初めまでに停止することなどを買収承認の条件とした。
イタリアは以前にも、バンコの貯蓄がロシア経済に恩恵をもたらすのを防ぐためにはウニクレディトがロシアから撤退することが必要だとの見解をEUに伝えていた。
これに対し、欧州委はイタリアの条件について「資本移動の自由や、欧州中央銀行(ECB)による健全性監督といったEU法の他の規定と相容れない可能性がある」と問題視した。
ウニクレディトがバンコを買収するために実施している株式公開買い付け(TOB)の期限は今月23日だが、これまでの応募は全体の0.14%にとどまっている。
ウニクレディトがバンコの全株式を買い付けた場合の購入価格は145億ユーロ(約169億5000万ドル)と、現在の株価に基づくBPMの時価総額の約156億ユーロを下回っている。
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