• 2025/07/30 掲載

IMF、中銀の独立性「不可欠」と強調 経済不安定化のリスク指摘

ロイター

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Andrea Shalal

[29日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は29日、中央銀行の独立性が失われればインフレ期待の抑制に向けた取り組みが損なわれ、金融・通貨・マクロ経済が不安定になりかねないと警告した。

29日公表した世界経済見通しとIMFチーフエコノミスト、ピエール・オリビエ・グルンシャス氏のインタビューで見解を示した。

IMFは世界経済見通しで、貿易摩擦と関税を巡る不確実性が長期化している現在の経済情勢では、金融の安定と中央銀行の独立性を維持する強力な政策の必要性が高まっていると主張。

関税ショックに伴い、為替やリスクプレミアムに混乱が生じれば、為替介入や資本フローの管理措置を一時的に実施することが適切になる場合もあるかもしれないと述べた。

「重要な点だが、曖昧で不安定な環境では、中央銀行からの明確で一貫したメッセージと、中央銀行の独立性を法律だけでなく実践面で保護することも、不可欠になる」と述べた。

トランプ米大統領はパウエル連邦準備理事会(FRB)に繰り返し利下げを要求している。

ロイターとのインタビューに応じたIMFのグルンシャス氏は、トランプ氏がパウエル氏の辞任を求めたことについて、インフレ期待を安定させるため、中央銀行の独立性を維持することが重要だと強調。

「これはマクロ経済全体の安定にとって、本当に重要な柱だ。過去40年間、苦労して学んだ教訓の1つだ」とし「この点に関するわれわれのメッセージは極めて明確だ。中央銀行の独立性を維持し、それを実現することが非常に重要だ」と述べた。FRBには直接言及しなかった。

同氏は、中央銀行の独立性が先進国・新興国双方のマクロ経済の枠組みの基礎となると発言。

「(市場や消費者は)誰かが舵を取り、誰かが運転席に座り、金融政策を通じて物価の安定を実現すると考えている」とし「それが信頼性だ」と述べた。

その上で、そうした信頼性が疑問視されたり、脅かされたりすれば、インフレとインフレ期待のつながりが「格段にもろくなる」と指摘。

さまざまなショック要因でインフレが突然再燃する恐れがあり、もし人々が中央銀行の職務遂行を信頼しなくなれば、インフレ期待が高まり始め、賃金上昇につながり、物価高、金利上昇を招き、ひいては「経済のクラッシュ」が必要になると語った。

「そうなれば、マクロ経済が不安定になり、通貨が不安定になり、金融が不安定になる」とし、中央銀行が独立して行動すると消費者・金融市場が信じることが重要だとの認識を示した。

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