- 2025/09/26 掲載
都区部コアCPI、9月は+2.5%で変わらず 生鮮除く食料が伸び鈍化
Takahiko Wada
[東京 26日 ロイター] - 総務省が26日に発表した9月の東京都区部消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数、コアCPI)は、前年比2.5%上昇した。伸び率は前月から変わらず。保育所保育料の大幅下落や生鮮食品を除く食料の伸び鈍化による下押しがあった一方で、電気代やガス代がプラスに転じ、コアCPIの伸びに寄与した。
伸び率はロイターがまとめた民間予測の2.8%を下回った。
エネルギー価格は2.7%上昇し、前月の5.3%下落から上昇に転じた。電気代は3.4%上昇、都市ガス代は2.0%上昇。前年同月に政府の「酷暑乗り切り緊急支援」で電気代や都市ガス代の伸びが大きく押し下げられた反動が出た。
一方、保育所保育料は60.4%下落で2001年1月以降で最大の下落率。都が始めた第1子の保育料無償化の影響が出た。
生鮮食品を除く食料は6.9%上昇で、伸び率は前月の7.4%から縮小した。伸び率が前月から縮小するのは昨年7月以来、1年2カ月ぶり。コメ類が46.8%上昇と前月の67.9%上昇から大きく鈍化したことが要因とみられる。
コア対象522品目のうち、上昇は365、下落は102、変わらずは54、非調査対象が1。上昇品目は前月の364を1つ上回った。
総合指数は前年比2.5%上昇と、前月と同水準。生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数(コアコアCPI)も2.5%上昇で、伸び率は前月の3.0%から縮小した。
財・サービス別で、サービス価格は1.5%上昇で前月の2.0%上昇から大きく鈍化した。保育所保育料の大幅下落が重しとなった。
<10月利上げ、「ハードルは引き続き高い」との声>
SBI新生銀行の森翔太郎シニアエコノミストは、今回の都区部CPIについて、食料主導で高止まりする物価のピークアウト傾向の継続を確認できる結果になったと指摘する。その上で、日銀の金融政策との関連では「政策が後手に回る、いわゆるビハインド・ザ・カーブのリスクへの警戒を高めるような示唆はなかった」と話す。
9月の日銀金融政策決定会合で2名の審議委員が利上げ提案したことで、市場では10月会合での利上げの可能性が意識されるようになった。しかし、森氏は「12月会合での利上げ可能性は相応に高いとみているが、10月会合での利上げのハードルは引き続き高い」とする。
「物価は堅調な推移が続いているが、経済のハードデータは輸出を中心に弱さがみられる」とし、残り1カ月程度の短い期間で、基調的な物価上昇率は2%をやや下回り、関税政策の影響を踏まえると物価のリスクは上下双方向にあるという「政策委員の中心的な見方の転換を促し、利上げに踏み切るほどの判断材料が揃うことは見込み難い」と話す。
ただ、森氏は10月会合は「ライブ会合になる」と指摘し、利上げの可能性も排除できないとみる。9月日銀短観後に実施される10月2日の内田真一副総裁あいさつ、翌3日の植田和男総裁の講演で、コミュニケーションに変化が見られるかどうかに注目している。
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