- 2025/10/06 掲載
早期利上げシナリオ微妙に=高市氏、自民党総裁就任で―日銀
自民党総裁に、緩和的な金融政策を志向するとみられる高市早苗前経済安全保障担当相が就任したことで、日銀による早期の利上げシナリオの実現が微妙になった。食料品を中心に物価高が長引く中、金融市場では早ければ10月末に開かれる金融政策決定会合で、利上げに踏み切るとの見方も浮上していた。ただ、経済成長を重視する高市氏は、日銀に対し政府との意思疎通を強く求めており、利上げ時期が遅れる可能性が出てきた。
「金融政策に責任を持たなければいけないのは政府だ」。高市氏は4日の自民党総裁選勝利後の記者会見で、日銀の金融政策について、政府の意向と足並みをそろえるよう求めた。その上で「日銀とのコミュニケーションを密にとっていかなければならない」と強調。日本経済は「ぎりぎりのところにある」とも語り、金融緩和の維持が望ましいとの考えを示唆した。
高市氏は昨年9月の自民党総裁選の中で「金利を今、上げるのはあほ」と日銀の利上げをけん制した経緯もある。野村証券の岩下真理エグゼクティブ金利ストラテジストは「利上げを巡る政府と日銀の意見調整は時間がかかりそうで、タイミングが多少遅くなる可能性がある」と指摘。10月の利上げは難しくなったとの見方を示している。
【時事通信社】
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