- 2025/10/06 掲載
新興国の起債、今年は過去最高更新か サウジやメキシコが主導
[ロンドン 3日 ロイター] - 銀行関係者や投資家によると、中国を除く新興国市場の債券発行額が今年、過去最高を更新しそうな勢いだ。サウジアラビアやメキシコの発行体が活発に起債しており、年末にはフロンティア市場からの起債も回復する可能性がある。
今年の新興国市場はドル安と着実な経済成長を追い風に、予想以上にアウトパフォームし、地政学的リスクが目白押しであるにもかかわらず魅力的なリターンを提供。起債が急増しても、利回りに飢えた投資家が楽々と吸収している状態だ。
JPモルガンのCEEMEA債券資本市場責任者、ステファン・ワイラー氏は、サウジの発行体による起債が今年600億ドル程度に上る可能性があると指摘した。
メキシコの発行体による起債は今年、既に過去最高の414億ドルに達している。シティグループのまとめでは、今年に入って新興国市場の起債総額は6549億ドルと、2020年に記録した通年の最高額7630億ドルに迫っている。
JPモルガンは、新興国市場の今年のソブリン債発行額が計2400億ドルと、コロナ禍対策資金の調達で急増した2020年の2330億ドルを上回ると予想している。ワイラー氏は「社債もソブリン債も過去最高を更新するだろう」と述べた。
シティ幹部は、金利が現在のペースで低下し続けるなら、年末には来年分の前倒し発行が始まるかもしれないと述べた。
格付けの低いフロンティア市場の発行体は、利回りスプレッドが2桁に達しているためこれまで概ね起債を控えていたが、夏場にスプレッドが縮小し、起債再開の道が開けた。ワイラー氏は、年末までにアフリカのソブリン債が2、3本発行されると予想した。
ナイジェリアは年内に最大23億ドルの起債を行う可能性を示している。
一方、ESG(環境・社会・企業統治)債への需要は後退しており、シティ幹部によると、かつてのように有利な価格・利回りで発行することはできなくなっている。
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