- 2025/10/15 掲載
米銀大手、第3四半期は投資銀行部門好調 資産バブルに警鐘
[ニューヨーク 14日 ロイター] - 米銀行大手が14日発表した第3・四半期決算は総じて堅調だった。同四半期に株価が上昇し、包括的な関税措置にもかかわらず、経済と個人消費が持ちこたえたことから、事業が引き続き好調を維持すると見通したが、一部の銀行は資産価格が持続不可能なほど高騰している可能性があると警告した。
ゴールドマン・サックスは投資銀行業務の手数料収入が42%急増。JPモルガン・チェースは16%増加した。ウェルズ・ファーゴとシティグループも投資銀行部門が堅調だった。
消費者金融は依然として健全で、JPモルガンは消費者の延滞が予想を下回る傾向にあると指摘した。ただ、労働市場の指標が弱まるにつれて悪化しないか注視していると述べた。
シティのジェーン・フレイザー最高経営責任者(CEO)は電話会見で、「マクロ環境は、世界経済が多くの予想以上に底堅いことを示している。米国は安定した個人消費とハイテク投資を背景に、引き続きけん引役となっている」と述べた。その上で、「とはいえ、市場の一部ではバリュエーションに過熱感が見られている」と指摘した。
<株式市場の最高値更新がディールを促進>
ウェルズ・ファーゴのマイク・サントマッシモ最高財務責任者(CFO)は記者団に対し、今後予定されている案件の状況は良好だと語った。JPモルガンのジェレミー・バーナムCFOは、今夏は合併・買収(M&A)で久しぶりに忙しく、第4・四半期に向けて株式資本市場と新規株式公開(IPO)の状況も好調だと述べた。
米連邦準備理事会(FRB)の利下げへの期待感から、米国株式市場は今年何度も過去最高値を更新しており、資産価格上昇がディールを支援している。
しかし、その高揚感が資産価格の大幅な調整を巡る懸念につながっている。
JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOは「多くの資産がバブルの領域に入っているように見える。しかし、その価格が投資銀行、株式、資産運用の原動力になっている」と指摘。クレジット市場では「過剰の初期兆候」があると述べた。
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