- 2025/10/22 掲載
中国、再びドイツの最大の貿易相手に 輸入が増加
[ベルリン 22日 ロイター] - ドイツの対外貿易で、中国が再び米国を抜いて首位に返り咲いたことが、独連邦統計庁の速報データで分かった。
ロイターの計算によると、1─8月の対中貿易額は1634億ユーロ(1907億ドル)、対米貿易額は1628億ユーロ。
中国は2023年まで8年にわたりドイツの最大の貿易相手国だった。しかし政治的な相違や、不公正な慣行を問題視したドイツが脱中国を図ったため24年は米国が首位となった。
しかし今年、トランプ米政権が高関税政策を取ったことで状況が変化した。
<米関税が輸出に打撃>
1─8月の対米輸出額は996億ユーロで前年比7.4%減少。8月単月では23.5%減で、米関税の影響が深刻化していることがうかがえる。
ドイツ卸売・貿易業連合会(BGA)のディルク・ヤンドゥラ会長は「米国の関税・貿易政策が販売減少の主な理由であることは間違いない」と述べ、自動車、機械、化学製品など、ドイツの伝統的な輸出製品に対する米国の需要が減少していると指摘した。
今も続く関税の脅威とユーロ高で、ドイツの対米輸出がすぐに回復することはないとINGのグローバルマクロヘッドのカーステン・ブルゼスキ氏はみている。
<中国からの輸入急増>
中国への輸出は1─8月は13.5%減の547億ユーロと、米国以上に減少した。
半面、中国からの輸入は8.3%増の1088億ユーロだった。
INGのブルゼスキ氏は、中国からの輸入はダンピングした価格であると指摘した。輸入増加は、中国依存の高まりだけでなく、中国と競合する国内主要産業を一段と圧迫しかねないと懸念を示した。
「国内経済が勢いを欠く中、世界市場の変化が一部に悪影響を与える可能性がある」とベレンベルクのエコノミスト、サロモン・フィードラーは述べた。
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