- 2025/11/27 掲載
ワーナー・ミュージック、AI音楽スタートアップ「Suno」と和解しライセンス契約
ユニバーサルやソニーとの訴訟は継続中も、音楽業界と生成AIコンテンツ「共存」の第一歩
ビジネス+IT
今回の合意により、ワーナーはこの訴訟を取り下げ、Suno とライセンス契約を結ぶことになった。
契約の内容として、Suno は従来の自由利用モデルを段階的に廃止し、ライセンス済み楽曲を使った「新モデル」を 2026年に導入する予定。これにともない、無料プランで生成された楽曲は再生や共有に限定され、ダウンロードには有料サブスクリプションと月間ダウンロード上限が設けられる。
また、ユーザーが既存アーティストの声、名前、容姿(ライクネス)を使うには、当該アーティスト本人が「オプトイン(参加同意)」する必要があるとされており、アーティストや作曲家は自身の著作権/人格権を管理し続けることになる。
さらに、この契約にあわせて Suno はかつて ワーナーが所有していたコンサート情報プラットフォーム Songkick を取得した。これにより、Suno は楽曲生成だけでなく、ライブ情報・発見を含む広義な音楽体験のプラットフォーム化を目指す形になる。
ワーナーは今回の決定について、ライセンス契約によってアーティストや楽曲の価値を守りながら、新たな収益源と創作体験を提供できるとの見解を示している。
ただし、Suno に対する他の大手レーベル、例えばユニバーサル ミュージック グループ(UMG)や ソニー ミュージック エンターテイメント(SME)からの訴訟や交渉は依然継続中であり、業界全体でのAIと著作権の扱いには不透明な部分が残る。
この和解と契約締結は、音楽業界におけるAI生成コンテンツとの「共存」に向けた大きな一歩を示すものとなる。
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