- 2025/12/08 掲載
Amazon、次世代AI「Amazon Nova 2」発表、推論やマルチモーダル、独自学習にも対応
4モデル体制と企業向けカスタム化基盤「Amazon Nova Forge」でAI活用の新段階へ
ビジネス+IT
Nova 2 Lite は、コスト効率と速度を重視したモデルで、文書処理やカスタマーサポートなど、日常的な業務の自動化に適している。Nova 2 Pro(Preview)は、動画分析、多数ドキュメント処理、ソフトウェア移行支援など、より複雑かつ高度なタスクに対応する設計。Proは現在、企業向けに早期アクセスが提供されており、Bedrock 経由で利用可能。
特に Nova 2 は、「ステップ推論」(複数の中間ステップを経て結論に至る多段思考)や、最大100万トークンの長大コンテキストウィンドウといった機能を備えることで、長文の解釈や複雑な文書の分析、複数データソースの統合などに向くとされる。これにより、単純なテキスト生成だけでなく、実務での複雑な業務自動化やエージェント応答にも対応できる柔軟性を持つ。
また、AWSは「Amazon Nova Forge」を発表。これにより企業は、単なるファインチューニング(既存モデルへの調整)だけでなく、未完成段階の Nova 2 モデルに自社データを取り込み、“フロンティアレベルのカスタムモデル(所謂“Novella”)”を構築できるようになる。これは、基盤モデルの事前学習(pre-training)の段階からデータを注入できる「オープントレーニング」方式で、自社ドメインに特化したAI構築の自由度と精度を飛躍的に高める。
この Nova Forge を使ったカスタムAI構築はすでに一部企業で試験導入されており、例えば大手ネットコミュニティサイトであるRedditは、独自のモデレーションAIを構築したと報告されている。また、旅行予約企業やバイオテック企業なども導入を進めており、業界横断で関心が高まっている。
Nova 2 と Nova Forge の発表は、AWSが単なるクラウド基盤提供から脱却し、企業にとって「高度で柔軟なAI開発基盤」を提供する存在へと進化する重要な節目となる。競合であるOpenAI や Google といった先行勢に対し、カスタマイズ性やコスト効率で差を打ち出す戦略であり、企業の生成AI導入や実用化を大きく加速させる可能性がある。
新製品開発のおすすめコンテンツ
新製品開発の関連コンテンツ
PR
PR
PR