• 2025/12/08 掲載

日本政府が策定を進める「AI基本計画案」、個人利用率8割・1兆円規模投資めざす構想浮上

AIの「活用」「開発」「ガバナンス」「社会制度」を軸に、総額「1兆円規模」の投資などが柱

ビジネス+IT

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政府は、初の国家としての人工知能基本計画(以下「AI基本計画案」)について策定を進めており、個人の生成AI利用率を最終的に「8割」にまで引き上げる目標や、民間によるAI関連投資で「1兆円規模」の誘引を狙う構想が報じられた。公共インフラ整備や安全管理体制の強化も含まれ、AI社会への大規模な転換を見据えた内容となっている。
政府は、2025年9月に設置された人工知能戦略本部での議論を経て、年内に閣議決定する見込みの「AI基本計画案」の全容が明らかになった。報道によれば、同計画案は個人の生成AI利用を当初の約25%(2024年度時点)からまずは5割へ引き上げ、最終的に8割を目指すという具体的数値目標を掲げている。



また、国内のAI関連投資を大幅に拡大することを狙い、政府は「1兆円規模」の民間投資を誘引する構想を盛り込んでいる。これは、現在日本が米国や中国などと比べ、AIへの民間投資や活用で後れを取っている状況からの巻き返しを意図したものだ。

計画案では、政策の柱として以下の4領域を提示している。まず「AIを使う(利活用の加速的推進)」では、行政のデジタル化、医療・介護、農業、防災など公共サービスや社会インフラへのAI導入を進める。次に「AIを創る(開発力の強化)」として、日本語データ整備や基盤モデルの開発、さらに次世代スーパーコンピュータやAIデータセンターなどのインフラ整備を促す。三つ目の「AIの信頼性を高める(ガバナンスの主導)」では、専門機関の体制強化、AI利用のガイドライン整備、安全性評価および悪用対策の強化を明示している。最後の「AIと協働する(社会制度の変革)」では、AI時代における人材育成、リスキリング、雇用構造の変化への対応、社会制度の見直しなどを掲げている。

加えて、計画案では産業分野として、フィジカルAI(ロボットや自動運転など)、医療・研究分野での「AI for Science」、創薬AI、新素材開発、農業、コンテンツ、金融など幅広い領域でのAI活用を促す姿勢が示されている。特に日本語に適した高品質データの整備と、その上での基盤モデル開発を「日本の勝ち筋」と位置づけており、日本独自の強みを活かしたAIエコシステムの構築を目指す。

一方で、ガバナンス面では、モデルの安全性評価、サイバーセキュリティ、悪用防止、プライバシー保護などへの対応も重視されており、専用の機関としてAIセーフティ・インスティテュート(AISI)を強化する方針が明記されている。これにより、AIの技術的進歩と社会的影響の両立を図るものとなっている。

報道では、これらの目標と施策を通じて、これまで「AIを使わないことが最大のリスク」とされてきた日本の立ち遅れ状況を逆転させ、官民一体で「世界で最もAIを開発・活用しやすい国」を目指す強い意志が読みとれるとしている。

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