• 2026/01/10 掲載

浜岡不正、国の原発政策に冷や水=審査「白紙」も、中部電に経営打撃

時事通信社

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中部電力による浜岡原発(静岡県)の地震想定に関するデータ不正は、原発の「最大限活用」を掲げる国のエネルギー政策に冷や水を浴びせるものだ。原子力規制委員会の山中伸介委員長は浜岡原発3、4号機の安全審査は「白紙になると思う」と発言。再稼働の遅れは中部電の経営への打撃となるほか、電源構成に占める原発比率を高める国の目標達成も遠のく。

政府は昨年2月に閣議決定したエネルギー基本計画で、2011年の東京電力福島第1原発事故を受けて掲げた原発への依存度を可能な限り減らす方針を転換し、急増する電力需要に対応するためフル活用する方向へかじを切った。40年度の電源構成での原発比率を現在の1割弱から2割程度に引き上げるのが目標で、実現には稼働原発を今の14基から30基超に増やす必要がある。

昨年末には東電柏崎刈羽原発(新潟県)や北海道電力泊原発(泊村)の再稼働に向けた地元同意が完了。今月20日には柏崎刈羽6号機が、東電の原発としては福島第1原発事故後で初めて、再稼働する見通しだ。

山中委員長は、中部電以外の電力会社の原発について、同様の問題がないか調査する予定はないとの考えを示す。ただ、安全性への信頼が失われれば、今後の地元同意は難しさを増す。赤沢亮正経済産業相は9日の閣議後記者会見で「安全性に対する国民の信頼を大きく損なう。あってはならない」と批判。中部電による再発防止策の報告などを踏まえて、「厳正に対処する」と強調した。

中部電にとって、審査が振り出しに戻れば経営への影響は深刻だ。同社は浜岡原発の再稼働で1基当たり年800億円程度、3~5号機全ての稼働で年2500億円程度の収益改善を見込む。三菱商事と進めていた国内3海域での洋上風力発電所の開発からの撤退も決めており、脱炭素化の取り組みも後退しそうだ。

中部電の林欣吾社長は5日の記者会見で「責任は重大だ」と認めつつも、自らの進退は「総合的に考えていく」と述べるにとどめた。林氏は業界団体の電気事業連合会の会長も務める。今後、経営責任が厳しく問われそうだ。

【時事通信社】 〔写真説明〕遠州灘に面した浜岡砂丘(手前)と中部電力浜岡原子力発電所=2011年5月、静岡県御前崎市 〔写真説明〕記者会見で謝罪する中部電力の林欣吾社長(左)ら=5日、名古屋市

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