• 2026/03/03 掲載

インタビュー:円債投資には緩急、1月の金利急騰で超長期国債買い加速=日本生命

ロイター

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Tomo Uetake

[東京 3日 ロイター] - 日本生命保険の都築彰・執行役員財務企画部長は、ロイターのインタビューで、2025年度下期の円債運用は従来の平準ペースではなく緩急をつけて慎重に行っていると述べ、1月に金利が急騰(債券価格は急落)した局面では超長期国債への投資を加速させたと明らかにした。衆院選を経て政権が安定したことで財政拡張に一定の歯止めがかかるとの期待感から、足元の金利はいったん落ち着きを取り戻したとみている。

インタビューは2日に実施した。主なやり取りは以下の通り。

──25年下期は10─11月と1月に金利が急上昇して波乱相場が続いた。どう行動したか。

「今年度は上期に30年金利が3%を超えて上昇した局面で、計画をやや前倒し気味にJGB(日本国債)買いを実施した。ただ、下期はボラティリティーが高く、高市早苗政権が積極財政を進めるとの思惑で10月から金利が上がり始め、特に1月の衆院解散表明後は財政リスクが織り込まれる中で金利が急騰する場面が何度かあり、かなり慎重に債券投資を進めた」

「全く買っていないわけではなく、超長期金利が新値を付けたタイミングは魅力のある水準なので多めに買うスタンスで、30年金利が過去最高の3.88%を付けた1月20日など、金利が急騰したところでしっかり買っていった」

「一方、金利が下がってきたら様子見するなど、ペースを調整しつつやっている。2月の衆院選で自民党が大勝すると、高市政権の基盤が安定して財政拡張に一定の歯止めがかかるとの見方から、金利はいったん落ち着いた。年度を通じて見れば、アロケーション(年度計画で決めた配分)に沿った投資ができている」

──日銀の金融政策と金利見通しは。

「メインシナリオでは日銀は4月に政策金利1.0%への利上げに動くと想定しており、その後は物価や経済、為替の状況次第だが、年度内にもう1回行うとみている。ターミナルレートがどこかというのは環境次第なので、今は予断を持っていない」

「1月のような金利の急騰が再び起きるとは想定していない。ただ、今議論している消費減税や給付付き税額控除、防衛費増額、あるいは高市首相の今月の訪米でトランプ米大統領と会談してもう一段の対米投資の話が出たりした場合など、財政拡張への警戒感が再燃する場面はあるのではないかと思っている」

「このため金利はこのまま一方向に下がっていくというより、もし財政の話が出てくればゆっくりだがまた少し上昇する可能性があるのではないか。その場合でも、30年金利4%への上昇は見込まない」

「今年度については、市場動向を受けて金利見通しを上方修正した。10年金利は年度末に2%台前半(2日時点で2.1%)、当社の主な投資対象である30年債は3%台半ば(同3.3%)での着地を見込む」

「来年度の見通しは議論中なので具体的な数字は控えるが、緩やかに上がっていく方向とみている。30年金利が3%台半ばなのが後半になるのかは微妙なところだが、メインシナリオでは緩やかな動きを見込む」

「ただ、市場も今はいったん落ち着いているとはいえ警戒モードが完全に解除されたわけではないので、さまざまな政策が出てきた時に財源について丁寧な説明がないと市場の不安が再燃する可能性がある。その時は、新高値の3%台後半を一時的に試す可能性も当然あると思っている」

──過去の低金利環境下で発行された低クーポン債の入れ替えについて。

「入れ替えはポートフォリオを強固にする取り組みで、引き続き積極的に実施している。24年度の入れ替え規模は簿価ベースで2兆円だったが、25年度は上期に1.5兆円、下期も上期と同程度となる可能性が十分ある。24─25年度は金利が大きく上昇したので、ボリューム的にかなり多くやっている」

「ただ、これでめどがついたとか終わりかといえば、そうではない。足元の30年金利は3.3%だが、当社の保有債券のほとんどはそれより低い利回りで、1%台もあれば2%台もある。それを今30年債に入れ替えれば30年間に渡って利回りがアップするので、できるだけやりたい。

「必要に迫られてとかあとどれだけ入れ替えないといけないということはないが、将来どういう環境になってもしっかりインカムを入ってくるというのは当社の保険契約者のために非常に重要なことだ」

「入れ替えをすると含み損の債券を売却するので損が出る、そこを収支で対応する必要がある。現在は株と為替に含み益があり、昨年12月末時点では公社債(大半が日本国債)が5.4兆円の含み損、国内株式は10.5兆円の含み益だ」

「このところの日本株高もあって株式は入れ替えるほどに益が出る相場なので、しっかり上がっている銘柄の利益を確定させて、その益を債券の入れ替えに使う。そこがうまく相殺できる範囲においては、可能な限り入れ替えを進めたい」

「来年度の運用計画も、方向性としては大きく変わらないと思う。引き続き債券の入れ替えをしっかり行いつつ、オルタナティブ資産への投資も、プライベートクレジットを含めファンドの運用者をよく見極めながら継続していく」

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