- 2026/08/12 18:30 掲載
Claude生成文章に“AIの証拠”が残る?アンソロピック、「電子透かし」を導入へ
文章には、人間が読んでも分からない「見えない透かし」を直接埋め込む。アンソロピックによると、文章の意味や品質、読みやすさには影響しないという。透かしそのものが文章内に組み込まれるため、別の場所にコピー&ペーストした場合でも一緒に移動し、一部の編集を加えた後にも残る可能性があるとしている。
対象はClaudeのWebサービスだけではない。「Claude Platform」のAPI、Claude Code、Claude Coworkなど、対応モデルを利用する各サービスに適用される。さらにAWS、Google Cloud、Microsoft Foundryを経由して対応するClaudeモデルを利用する場合にも、文章への透かしを適用する。地域についてもEUだけに限定せず、対応モデルを提供する世界各地で実施する方針だ。
画像などのファイルについては別の仕組みを使う。.svg、.png、.jpgなど対応するファイルをClaudeが生成した場合、コンテンツの来歴を示す署名付きメタデータを付加する。業界団体「Coalition for Content Provenance and Authenticity」が策定するオープン規格「C2PA」を採用し、Claudeによって処理されたファイルかどうかや、生成後に改変された形跡などを確認できるようにする。
今回の対応には、EUのAI規制が影響している。欧州委員会によると、EU AI Act(AI法)第50条2項などに基づくAI生成・加工コンテンツの透明性義務は、2026年8月2日から適用が始まった。対象となる生成AIシステムの提供者には、AIが生成したコンテンツを機械的に識別できるようにすることなどが求められる。アンソロピックは同条に対応する「AI生成コンテンツの透明性に関する行動規範」に署名している。
もっとも、透かしがあればAI生成物を完全に判定できるわけではない。アンソロピックは、Claudeの透かしが検出されたとしても、Claudeが文章そのものを最初から作成したとは限らないと説明する。人間が作成した文章をClaudeで校正、翻訳、要約した場合などにも、出力結果に透かしが残る可能性があるためだ。
逆に、透かしが検出されなかったからといって、AIが使われていないとも断定できない。生成文を大幅に書き換えたり、言い換えたり、翻訳したり、別の文章と混ぜたりすると、透かしを検出できなくなる場合がある。文章が短すぎる場合も、判定に必要な信号が不足する可能性があるという。画像などでも、ファイル形式の変換や再保存、スクリーンショットなどによってメタデータが消える場合があるとしている。
アンソロピックは今後、利用者や第三者がClaudeの透かしや来歴情報を検出できる仕組みも提供する予定だ。詳細な検出方法については、今後公開する技術文書で説明するとしている。AI生成物を「完全に見破る」仕組みではないものの、文章を含めてAIによる生成・処理の来歴を機械的に示す動きが広がることになりそうだ。
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