- 2020/08/19 掲載
カナダ財務相にフリーランド副首相、初の女性 回復かじ取りへ
女性の財務相は同国で初。フリーランド氏は副首相と財務相を兼任する。
モルノー氏は前夜、臨時の記者会見で辞任を発表。財政政策を巡りトルドー首相と意見の対立があったほか、学生の就職活動支援制度の運営主体に起用された慈善団体との関係について批判が出ていた。
フリーランド氏は、与党・自由党党首のトルドー首相の後任として最有力候補と見なされている。トルドー氏の前内閣では外相兼国際貿易相として北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定の交渉を率いた。
デロイトカナダの首席エコノミスト、クレイグ・アレクサンダー氏は「フリーランド氏は前任者のような実業家としての経験はないが、米国との自由貿易協定の難しい再交渉を含め、外務省を非常にうまく管理した」と指摘。「市場は、新財務相が首相と非常にうまく協力することを期待するだろう」と述べた。
カナダドル
CBCによると、トルドー氏は現在の国会を9月23日まで休会し、再開後に政策を説明する。政策には新たな予算も含まれる見込みだ。
新型コロナの影響で、カナダの今年度の予算赤字は3432億カナダドル(2534億米ドル)と、第二次世界大戦以降で最大の額に上る見通し。
トルドー首相は「回復に向けた長期計画が必要だ。新型ウイルス感染拡大に起因する赤字に対応する計画が必要となっている」と指摘。雇用保全の強化のほか、化石燃料の輸出に大きく依存する経済からの脱却など、カナダは「大胆で新しい解決策」を追求しなくてはならないと述べた。
フリーランド氏は「カナダ経済の再始動は環境に優しいものである必要がある。同時に、公正で内包的でなければならない」と表明。ただ自身の具体的な政策は示さなかった。同氏は13年に政界に入るまで、フィナンシャル・タイムズやグローブ・アンド・メール、ロイターを含む複数のメディアに勤めた。
*内容を追加しました。
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