- 2020/09/14 掲載
中国8月新規融資は予想上回る1.28兆元、社会融資総量の伸び加速
中国人民銀行(中央銀行)が発表した8月の新規人民元建て融資は1兆2800億元(1872億5000万ドル)。7月(9927億元)から増加し、アナリストの予想(1兆2200億元)も若干上回った。昨年8月は1兆2100億元だった。
住宅ローンを中心とする家計向け融資は8415億元で、7月(7578億元)から増加。企業向け融資は2645億元から5797億元に大幅に拡大した。
当局は、新型コロナウイルス禍で打撃を受けた企業の支援に向け、銀行に低利の融資、手数料の引き下げを要請している。
しかし、こうした要請は銀行の経営を圧迫。5大銀行の上期決算は大幅な減益となった。
アナリストは、経済が急速に足場を固める兆しを見せるに伴い、人民銀は緊急モードから通常の姿勢に戻りつつあると指摘。一部エコノミストは、年内の追加的な主要金利引き下げはないとみている。
キャピタル・エコノミクスはノートで、向こう数カ月で融資がさらに加速すると予想。「年内には一段の国債発行が計画されている。さらに、継続的な景気回復を背景に投資需要が高まり、社債や株式の発行が増加するはずだ」と指摘した。
マネーサプライM2の前年比伸び率は10.4%。7月および予想の10.7%を下回った。
8月末時点の融資残高は前年比13.0%増で7月と同じ伸び率だった。
銀行融資のほか、新規株式公開、信託会社の融資、債券発行などを含む社会融資総量は前年比13.3%増。7月(12.9%増)から伸びが加速した。
社会融資総量は、地方政府が中央政府の要請を受けて債券発行を加速するに伴い拡大すると予想されている。
財政省によると、8月の地方政府の債券発行額はネットで9208億元。7月の422億元から急増した。
8月の社会融資総量は3兆5800億元。7月(1兆6900億元)から増え、アナリスト予想(2兆7300億元)を上回った。
*情報を追加しました。
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