- 2021/04/18 掲載
「コロナ保険」契約急伸=感染時家計に不安―生保業界
新型コロナウイルス感染の収束が見通せない中、生命保険会社の対応商品の契約が急速に伸びている。T&Dホールディングス傘下の太陽生命保険が昨年9月に投入した業界初のコロナ対応保険は、約8カ月で契約件数が10万件を突破し、同社では過去10年で最も速いペースを記録した。背景には、感染した場合の収入減や急な出費など家計に対する不安がある。
新型コロナに感染すると、入院や療養を余儀なくされる。一時的に収入が急減したり、食品宅配などの利用で出費がかさんだりする恐れがある。
太陽生命は、コロナ感染に対応した個人向け入院保険を発売。コロナなどの感染症と診断された場合、日帰り入院や自宅療養も含め、入院一時金として最大40万円を支払う。広報担当者は「コロナ感染への不安が強い中、社会のニーズに応えられた」と話す。
第一生命保険は今月9日、一時金は一律10万円だが、コロナ感染拡大の状況によって保険料が変動する保険を投入。契約数は1週間ほどで約3000件に上った。富国生命保険は、医療保険の加入者なら追加の保険料なしで、コロナなどの感染により入院した場合、一時金を2倍にする保険を昨年12月に発売。各社が工夫を凝らしている。
生命保険協会の根岸秋男会長(明治安田生命保険社長)は「各社が多様な商品の開発を進めることは、業界にとって望ましい」と語る。コロナ禍が長期化する中、今後もさまざまなニーズを捉えた新たな保険商品が登場しそうだ。
【時事通信社】
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