• 2021/04/22 掲載

円債とオルタナ資産・不動産は残高増加、国内株は減少=第一生命運用計画

ロイター

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[東京 22日 ロイター] - 第一生命保険は2021年度の一般勘定資産の運用計画で、25年に予定される経済価値ベースでの新たな資本規制導入に向けて金利と株式のリスク削減を進める一環として、円債の残高を積み増す一方、国内株式は減少させる方針を示した。一方、収益力強化とリスク分散の観点からオルタナティブ投資を強化する。

22日に開催した21年度上半期運用方針説明会で明らかにした。

資産別では、新たな規制への対応に向けた金利リスクの削減のため、責任準備金対応債券の積み増しやプロジェクトファイナンス、アセットファイナンスなどへの投資により、円債の残高を増加させる。

国内株式の残高は、同じく規制対応を念頭にリスクコントロール目的で売却を行い、減少する見込み。外国株式の残高は「株価水準次第」という。

外国債券の運用方針に関連して、第一生命の甲斐章文運用企画部長は各国の財政政策やワクチン普及を受けた経済正常化により世界の経済成長率が改善する一方、米国では経済正常化に伴って今後インフレ率が上昇して金融政策に影響が出ることに留意が必要として、インフレ加速を受けて米国でテーパリング(緩和縮小)の早期開始が意識されるリスクに言及した。

ただ「FRB(米連邦準備理事会)は13年のテーパータントラムの苦い経験があるため、市場との対話をしっかりするだろう」との見方から、来年秋の米中間選挙までは財政拡大継続とワクチンによる正常化期待でリスクオン相場が継続するのがメインシナリオだとして、21年度末時点の米長期金利を1.9%と想定している。

甲斐氏は為替ヘッジ付き外債の残高は「金利水準次第」としつつも、「足元のドルヘッジコストは歴史的にみてもかなり低い。ヘッジ付き米国債に一定の投資妙味がある。ユーロ債はヘッジコストがプレミアムの状態だが、考慮後利回りでは現状は米国債の方に妙味がある」との見方を示した。

オープン外債については、「為替水準次第だが、円高リスクがあまり大きくないと判断すればオープン外債を増やすことも考えたい」としつつ、「市場リスク増大にもつながるため、当社がその時に取れるリスクとの見合いになる」とも述べた。

同社の岡崎健次郎外国債券部長は先月、ロイターのインタビューに対し、「円高懸念は後退しているが、為替のボラティリティーはまだ高い。オープン外債を増やすにはもう少し様子を見る必要がある」と語っていた。

第一生命はこのほか、オルタナティブ資産も前年度に続いて残高を積み増す計画。ヘッジファンドではポートフォリオ全体のリスク分散につながる戦略に、プライベートエクイティは収益力向上を目指してバイアウトファンドやベンチャーファンド、インフラファンドなどのリアルアセットへの投資を行う。

不動産も、用途分散を目的とした新規投資や入れ替えにより、前年度に続き残高を増加させる。甲斐氏は、同社のポートフォリオは住宅とオフィスが中心で商業施設やホテルは少なく、コロナ禍によるダメージは限定的と説明した。

第一生命の一般勘定の資産残高は、昨年9月30日時点で37兆7554億円。うち外貨建て資産は10兆9302億円(29.0%)。

2021年度の相場見通し(レンジと年度末)は以下の通り。▼はマイナス

日本国債10年物利回り   ▼0.25―0.25%(年度末0.10%)

米国債10年物利回り    1.25―2.25%(年度末1.90%)

日経平均          2万8000―3万6000円(年度末3万3000円)

NYダウ          3万─3万8000ドル(年度末3万6000ドル)

ドル/円相場        100―115円 (年度末107円)

ユーロ/円相場       120―140円 (年度末130円)

(植竹知子 編集:青山敦子)

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