- 2021/06/16 掲載
中国当局、銅・アルミ・亜鉛の国家備蓄放出へ 価格安定狙う
金属価格は今年、新型コロナウイスル禍からの景気回復や潤沢な流動性、投機的な取引で急騰しており、中国政府は市場の過熱抑制を目指している。
5月の中国の生産者物価指数(PPI)上昇率は、過去12年余りで最高となっており、企業の利益率を圧迫している。
上海先物取引所とロンドン金属取引所(LME)の銅価格は5月に最高値を更新。昨年3月から60%以上値上がりしている。
上海先物取引所のアルミも5月に2010年以来の高値に上昇。亜鉛も07年以来の高値を付けた。
中国当局は、コモディティー(商品)価格の上昇を抑制するため、市場の状況を注視していると表明。市場では3月中旬から、国家備蓄の放出が予想されていた。
マレックス・スペクトロンの商品ブローカー、アンナ・スタブラム氏は「中国当局は製造業の利益率低下を防ごうとしている。顧客に価格転嫁するのが難しいためだ」と述べた。
国家糧食物資備蓄局の声明では、入札手続きの詳細やどのような製造業者が応札できるかについて明記していない。
一部の金属価格は、中国当局の警告を受けて、5月中旬から値下がりしているが、市場関係者によると、国家備蓄の放出は織り込み済みで、これ以上大幅に値下がりする可能性は低い。
また、ペースに差はあるものの、大半の国では新型コロナ禍からの需要回復が続いている。
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