- 2021/06/30 掲載
テックウインド、筑波大とAIによる燃え尽き症候群の予測に関する共同研究契約を締結
■本研究の背景
「燃え尽き症候群(バーンアウトシンドローム)」は精神心理学者のハーバート・フロイデンバーガーが提唱した概念で、「心身の極度の疲労により燃え尽きたように意欲を失い、社会に適応できなくなること」をいいます。
燃え尽き症候群は、従来から長期にわたりストレスにさらされる、特に接客サービスなどの感情労働の現場において発症しやすいことが指摘されてきましたが、昨今のコロナ禍からの労働環境の急激な変化、テレワークによるコミュニケーション不足やオンオフの切替え困難などの新たなストレス要因によって、業種を問わず、多くの働く人にとって深刻な問題となりつつあります。
また、燃え尽き症候群は段階的に進行してゆくものである一方で、職場の管理者はもちろん従業員本人自身もその傾向に気づきにくいといわれ、燃え尽きの兆候にいかに早く気づき対処できるかが予防のカギとされているにもかかわらず、テレワーク環境が管理者と従業員が直接会う機会を減らし、燃え尽き症候群の兆候への気づきの機会を奪っていることも懸念されます。
テックウインドは、Microsoft社のAIサービスであるFace APIによる顔画像の表情分析の結果から燃え尽き発生の検出可能性について、2020年より産業・組織心理学の専門分野を持つ筑波大学の学術指導のもと、2万枚以上の顔画像を分析しました。この結果、AIの分析結果と独自のアルゴリズムによって、従来用いられている燃え尽き症候群の心理試験との結果に一定の相関関係が見られたため、次のステップとしてデータの有効性や機能性などの確認を行います。サンプルをこれまでの10倍に増やした実証検証を行い、早期の実用化に向けて共同研究を加速させて参ります。
■研究の概要
本研究では、顔画像によるAzure AIでの表情分析データと、エビデンスとなる心理調査(アンケート)を一定期間連続的に採取・解析することで燃え尽き症候群の傾向を探索し、独自のアルゴリズムの精度を向上させて参ります。
本研究の実施にあたっては、筑波大学働く人への心理支援開発研究センターが実験デザインの構築および採取データの解析を行い、テックウインドは実験参加者の顔画像データの収集および、研究成果を活用したシステム/ソリューションの開発を担当します。
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