- 2021/08/06 掲載
伊銀モンテ・パスキ、第2四半期は市場予想上回る利益
モンテ・パスキの64%を保有するイタリア経済財務省は先週、同行の売却に向け、ウニクレディトと独占交渉に入った。
ウニクレディトのアンドレア・オーセル最高経営責任者(CEO)はこれまで、モンテ・パスキの「選択された部分」の買収検討に際して厳しい条件を付けており、9月半ばまでに決定が下されるとの見通しを示している。
モンテ・パスキの第2・四半期の純利益は8300万ユーロ(9800万ドル)と、前年同期の8億4200万ユーロの赤字から黒字転換した。株価は4.9%高で引けた。
収入は7億4040万ユーロと、前年から増加し、予想も小幅に上回った。純手数料が18%増え、純金利収入の減少を補った。
同行は、身売り先が決まらない場合は来年に25億ユーロを調達する計画を維持。
欧州連合(EU)の欧州銀行監督機構(EBA)が先週発表した域内銀行のストレステスト(健全性審査)の結果によると、新型コロナウイルスの影響長期化を想定した最も厳しいシナリオで、モンテ・パスキのコア資本比率がマイナスに陥った。
ただ、同行は、資本不足額の予想を最大15億ユーロから5億ユーロ弱に縮小した。ウニクレディトの買収交渉を背景とする人員削減の先送りなどを反映した。
DBRSモーニングスターのアナリスト、アルノー・ジョルノワ氏は「ウニクレディトによる買収が構造的問題の解決につながる可能性が高いが、モンテ・パスキは2022年に見込まれる資本不足額の圧縮に引き続き取り組んでいる」と指摘した。
人員削減は買収交渉の注目点となっており、関係筋は、2万1000人に上る従業員の3分の1近くが対象になる可能性があると述べている。
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